ふらここ
【鑑 賞】 ふらここの天より垂れて人あらず
大正末から昭和後期にかけての俳人・三橋鷹女(みつはしたかじょ)の俳句作品。
「天より垂れて」の表現から壮大な情景が目に浮かんでくる句。
以下、季語「ふらここ・ふらんど」の解説です。
【表 記】
(漢字) 鞦韆、秋千、半仙戯
(ひらがな) ふらここ
(ローマ字) furakoko
【季 節】
春
【分 類】
人事
【意味・説明】
「ふらここ」とは、いわゆるブランコのことで、「ふらんど」「しゅうせん」「半仙戯(はんせんぎ)」などということもあります。
「ふらここ」には、「鞦韆」という漢字が当てられることが多くみられます。
【俳句例】
※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。
海に向く方をふらここの前とする
(加倉井秋を)
猿はたのしか人の子のするふらここを振り
(荻原井泉水)
達治亡きあとはふらここ宙返り
(石原八束)
ふらここにたゞ腰掛けしばかりなる
(加倉井秋を)
ふらここにとびのるミロの女かな
(仙田洋子)
ふらここの会釈こぼるるや高みより
(炭太祇)
ふらここの桁吹く風や雨のひま
(会津八一)
ふらここの乗りよくなりて切にけり
(会津八一)
ふらここは青天井より垂れゐたり
(高澤良一)
ふらここは森を翔びたつ形かも
(山田みづえ)
ふらここや雨に濡れたる若楓
(正岡子規)
ふらここや犬ころ芝に来てねむる
(村山故郷)
ふらここやくぐり続けて籠の鳥
(金箱戈止夫)
ふらここや少し汗出る戀衣
(松瀬青々)
ふらここや人去つて鶴歩みよる
(尾崎放哉)
ふらここをこがねば風の音ばかり
(仙田洋子)
ふらここを漕ぐにもあらず二人かな
(中村苑子)
ふらここを北斗に懸けて遊ばむか
(小澤克己)
ふらここを揺りものいはずいつてくれず
(中村汀女)
ふらんどや桜の花をもちながら
(小林一茶)
弁天を抜けたあたりでみずてんのふらここ
(加藤郁乎)
女童の立ってふらここ漕ぎ出せり
(高澤良一)
【関連季語・子季語】
鞦韆 秋千 半仙戯
ふらんど ぶらんこ ブランコ
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