春の空
【鑑 賞】 大屋根に春空青くそひ下る
明治中期から昭和中期にかけての俳人・高浜虚子(たかはまきょし)の俳句作品。
爽やかな青空が目に浮かんでくる句。
以下、季語「春の空」の解説です。
【表 記】
(漢字) 春の空
(ひらがな) はるのそら
(ローマ字) harunosora
【季 節】
春
【分 類】
天文
【意味・説明】
「春の空」と同じ趣向を持つ季語として「春空」「春天」があります。
【俳句例】
※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。
仰ぐこと多くなり春の空となる
(加倉井秋を)
椽へ出て見れば鳥飛ぶ春の空
(正岡子規)
幼子の手の腥き春の空
(飯島晴子)
踵かへして海をそがひや春の空
(原石鼎)
切れがちに榛の樹までの春の空
(藤田あけ烏)
草に臥て右や左の春の空
(岡井省二)
首長ききりんの上の春の空
(後藤比奈夫)
此処からも大佛見ゆる春の空
(星野立子)
四五人の僧の仰げる春の空
(高野素十)
閑かさは何の心や春のそら
(加賀千代女)
死は春の空の渚に游ぶべし
(石原八束)
シャガールの女たゆたふ春の空
(仙田洋子)
鐘樓より蜂は大嶺へ春の空
(飯田蛇笏)
白波も乱るる萱も春の空
(飯田龍太)
旅人よ雪はふれども春の空
(井上士朗)
妻の上にあくまで濃くて春の空
(八木林之介)
手を容れて冷たくしたり春の空
(永田耕衣)
とんづらにぢかに触れてや春の空
(岡井省二)
とんと手をとんととび箱春の空
(平井照敏)
日輪をかくして春の空ひろし
(長谷川かな女)
野を行けばつむじをりをり春の空
(村山故郷)
玻璃ごしに見てゐる限り春の空
(稲畑汀子)
春の空人仰ぎゐる我も見る
(高浜虚子)
春の空大石悦子大きな字
(星野麥丘人)
春の空日の輪いくつも色となり
(阿部みどり女)
春の空円しと眺めまはし見る
(星野立子)
法然や袖がそのまゝ春の空
(岡井省二)
ま横より仰ぐ大佛春の空
(星野立子)
ゆびきりの指が落ちてる春の空
(坪内稔典)
わが立ちて壺のごとしや春の空
(鷹羽狩行)
【関連季語・子季語】
春空 春天
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