白い桜の花

春の夢

 

【鑑 賞】 春の夢みてゐて瞼ぬれにけり

大正末から昭和後期にかけての俳人・三橋鷹女(みつはしたかじょ)の俳句作品。

自分の体験が思い出されるように感じられる句。

 

スポンサーリンク

 

 

以下、季語「春の夢」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 春の夢

(ひらがな) はるのゆめ

(ローマ字) harunoyume

 


季 節


 


【分 類】


人事

 


【意味・説明】


春の夢は「ただ春の夜の夢の如し」などのように、はかないものたとえとして、古くから和歌などにも詠まれてきました。

スポンサーリンク

 


【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

ありとせばはねずのいろの春の夢
(森澄雄)

あるときはふるさと燃ゆる春の夢
(藤田湘子)

うち笑みてほとけ現れませ春の夢
(伊丹三樹彦)

こときれてゐればよかりし春の夢
(上田五千石)

持論などいかゞなものか春の夢
(加藤郁乎)

吸ひなづむ霞か雲か春の夢
(三橋敏雄)

空に浮く萬暦赤繪春の夢
(林翔)

たわいなき春夢なれども汗すこし
(能村登四郎)

中空に修羅を舞ひたる春の夢
(佐藤鬼房)

てにをはのもとより合はず春の夢
(鷹羽狩行)

泣きながら駈けてゐたりし春の夢
(岡本眸)

日曜の前の夜に似し春の夢
(鷹羽狩行)

春の夢あまたの橋をわたるかな
(桂信子)

春の夢うらはづかしく覚めにけり
(富安風生)

春の夢気の違はぬがうらめしい
(小西来山)

春の夢心驚けば覚めやすし
(富安風生)

春の夢さめたる鳰の水ばしり
(鷲谷七菜子)

春の夢覚めてあしたもこの夢を
(鈴木真砂女)

春の夢水平線の近くまで
(足立礼子)

ひとりねて尼僧のむすぶ春の夢
(飯田蛇笏)

羅紗売りが猫となりゆく春の夢
(栗林千津)

 


【関連季語・子季語】


春夢

 


【他の季語を探す】


春の季語

夏の季語

秋の季語

冬の季語

新年の季語

五十音で探す

 

スポンサーリンク