春の野原の雲雀

雲 雀

 

【鑑 賞】くもることわすれし空の雲雀かな

大正初期から昭和中期にかけての小説家・俳人である久保田万太郎(くぼたまんたろう)の作品。

清々しく晴れた青空が目に浮かんでくる句。

 

スポンサーリンク

 

 

以下、季語「雲雀」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 雲雀

(ひらがな) ひばり

(ローマ字) hibari

 


季 節


 


【分 類】


動物

 


【意味・説明】


「雲雀」だけで春の季語となります。

他の季節の場合は、それぞれ「夏雲雀」「秋雲雀」「冬雲雀」とします。


“Hibari” alone is a season word for spring.

In the case of other seasons, they are called “natsu-hibari”, “aki-hibari” and “fuyu-hibari” .

スポンサーリンク

 


【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

朝からの筆に疲れぬなく雲雀
(金尾梅の門)

浅草や家尻の不二も鳴雲雀
(小林一茶)

朝ごとに同じ雲雀か屋根の空
(内藤丈草)

朝虹やあがる雲雀のちから草
(山口素堂)

ある折はうそにも落ちて雲雀かな
(加賀千代女)

家を出て心あてなし揚雲雀
(上村占魚)

石くれか何ぞと落つる雲雀かな
(東洋城千句)

居ながらに雲雀野を見る住ひかな
(高橋淡路女)

うつくしや雲雀の鳴し迹の空
(小林一茶)

うつむきてゆきもどる日々雲雀鳴く
(桂信子)

うらうらと雲雀上がりて西の京
(筑紫磐井)

うらゝかや帽子の中に雲雀の巣
(野村泊月)

うらゝにて雲雀はしれる墳の前
(水原秋桜子)

大井川なりしづまりて鳴雲雀
(小林一茶)

大籠に飼ひて一羽の雲雀かな
(高橋淡路女)

おりよ~野火が付いたぞ鳴雲雀
(小林一茶)

かざす手の血の色ぞよき啼く雲雀
(臼田亞浪)

かつぎゆく雲雀の籠は空なりき
(高野素十)

笠着れば一重へだゝる雲雀哉
(横井也有)

から臼に落て消たる雲雀哉
(正岡子規)

きこえしはずの寒雲雀ききすましてゐる
(川島彷徨子)

きのふにもいまごろありし雲雀かな
(久保田万太郎)

くさめして見失うたる雲雀かな
(横井也有)

紅粉におちて落たる雲雀かな
(立花北枝)

午後よりは眠し雲雀も浪音も
(阿部みどり女)

少年の口臭かすか揚雲雀
(行方克巳)

しん~とゆりの咲けり鳴雲雀
(小林一茶)

信念のもえ出づるとき揚雲雀
(原石鼎)

千万の蛙の中や夕雲雀
(石塚友二)

そちこちす人に雲雀のまた揚る
(高野素十)

大地飢え空の雲雀がまた燃える
(坪内稔典)

種蒔くに空深く鳴く雲雀かな
(吉武月二郎)

ちい~と絶え入る声や練雲雀
(正岡子規)

地に近き迅さ加へて落雲雀
(池田秀水)

てのひらの匂い雲雀の巣の匂い
(坪内稔典)

てふてふは寝てもすますに雲雀かな
(加賀千代女)

天に穴ありて落ちくる雲雀かな
(野村喜舟)

とほめきて雲の端になく夏ひばり
(飯田蛇笏)

なく雲雀松風立ちて落ちにけむ
(水原秋桜子)

はなのさく草は巣にせであげ雲雀
(松岡青蘿)

半紙すく川上清しなく雲雀
(広瀬惟然)

半日は空にあそぶや舞雲雀
(正岡子規)

ひきゝりなく川原雲雀の揚りけり
(鈴木花蓑)

ひばり鳴く夕日の墓に顔があり
(石原舟月)

百姓に雲雀揚つて夜明けたり
(村上鬼城)

昼過ぎの雲雀のこゑの中弛み
(高澤良一)

昼飯をたべに下りたる雲雀哉
(小林一茶)

日を厭ふ傘つたなしや揚雲雀
(幸田露伴)

二つ啼くひとつは見出すひばり哉
(横井也有)

ふたつみつ夜に入りそうな雲雀かな
(加賀千代女)

 


【関連季語・子季語】


朝雲雀  夕雲雀  揚雲雀

 


【他の季語を探す】


春の季語

夏の季語

秋の季語

冬の季語

新年の季語

五十音で探す

 

スポンサーリンク