桜の白い花

日 永

 

【鑑 賞】うちとけて日永の膝をくづしけり

昭和時代の俳人・鈴木真砂女(すずきまさじょ)の作品。

春の長閑な日の雰囲気が強くが感じられる句。

 

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以下、季語「日永」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 日永

(ひらがな) ひなが

(ローマ字) hinaga

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


「日永」は、春の日の日中が長くなってくることを表現する季語です。


“Hinaga” is a season word that expresses the lengthening of the daytime in spring.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

意久地無う坐禅くづるゝ日永かな
(幸田露伴)

いづれのおほんときにや日永かな
(久保田万太郎)

岩登りかけてその儘日永亀
(高澤良一)

うづくまる病顔不意に日永なり
(宇佐美魚目)

馬の眼の糸によれたる日永哉
(正岡子規)

追々に日永の句などよかるべく
(寺田寅彦)

かたわれの函を探せる日永かな
(高澤良一)

傾城の疱瘡うゑる日永かな
(寺田寅彦)

喧雀に日永の家居疲れたり
(金尾梅の門)

甲羅干す亀見て日永いや気長
(高澤良一)

米搗くに本読む仕掛日永かな
(松根東洋城)

山門に鹿の寝て居る日永かな
(正岡子規)

写真師の指先焦けて日永かな
(久米正雄)

ぞろ~と樂隊通る日永かな
(内田百間)

楽しくもあるかな日永按摩鍼
(尾崎紅葉)

丹頂のさて水に入る日永かな
(三好達治)

ちりはてゝ花も地をはふ日永哉
(正岡子規)

杖ついて誰を待つなる日永人
(杉田久女)

辻駕に女乗せたる日永哉
(正岡子規)

どの窓も日永の能登の海見えて
(稲畑汀子)

長生きをせよと言はれて日永臥す
(村越化石)

人形の独りと動く日永かな
(夏目漱石)

ぬかるほど水を撒きたる日永かな
(久保田万太郎)

八幡の鳩の向き合ふ日永かな
(野村喜舟)

はらのたつほど波たゝぬ日永かな
(久保田万太郎)

晩年もなほ日永にて摘む蓬
(中村苑子)

引きすてし大鋸の日永かな
(正岡子規)

ひとつ鳥の啼きつづけたる日永かな
(中勘助)

冬帽子かかる日永の帽子掛
(橋閒石)

孵卵器を守れる学徒に日永くも
(竹下しづの女)

古着市出盛りすぎの日永かな
(青木月兎)

弁柄の吹屋をめぐる日永人
(松崎鉄之介)

方丈の氷砂糖の日永かな
(野村喜舟)

ほこりして睫毛しるきや日永の婢
(香西照雄)

道ばたに絵馬売る婆々の日永哉
(正岡子規)

 


【関連季語・子季語】


永き日

 


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