柿の実と秋の青空

 

【鑑 賞】柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺

明治時代の俳人・歌人である正岡子規(まさおかしき)の作品。

あまりにも有名な名句で、この句には「法隆寺の茶店に憩ひて」という前書きがあります。

 

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以下、季語「柿」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 柿

(ひらがな) かき

(ローマ字) kaki

 


季 節


 


【分 類】


植物

 


【意味・説明】


柿の品種は多く、その数は1000を超えるといわれています。

柿は一般に「甘柿」と「渋柿」に大別されます。


There are many varieties of persimmon, and it is believed that there are over 1,000 of them.

Persimmons are generally categorized into two types: “sweet persimmons” and “astringent persimmons”.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

あをばれの熟柿をすゝるをんなかな
(河野静雲)

うからみな愁しみもてり柿青く
(角川源義)

渦巻ける皮の上にて柿を割る
(篠原梵)

枝ながら柿そなへあり山の寺
(竹下しづの女)

お十夜の柿みな尖る盆の上
(波多野爽波)

柿朱くなるともわれは梢かな
(平井照敏)

柿赤し機織る窓の夕明り
(幸田露伴)

柿甘くつめたく旅にひとりあり
(高橋淡路女)

柿うまし鵯の嘴あとよりすゝり
(皆吉爽雨)

柿売の旅寐は寒し柿の側
(炭太祇)

柿落ちてうたゝ短き日となりぬ
(夏目漱石)

柿食ふやうつしみ歯よりおとろへて
(西島麥南)

柿喰ふや鵯の啼く音は寒しとふ
(臼田亞浪)

柿食へと天より声や子規波郷
(草間時彦)

柿にそへて雷おこし秋のもの
(久保田万太郎)

柿ぬしや梢はちかきあらし山
(向井去来)

柿ぬしや夜は月洩る戸を立てゝ
(野村喜舟)

柿の味一片も歯に固きのみ
(臼田亞浪)

柿の色脳裏に荒れし海を見る
(桂信子)

柿の枝盆を余りて風情とす
(阿部みどり女)

柿の木といふ柿の木に晴間あり
(古館曹人)

柿の種うしろに吐いて闇深し
(秋元不死男)

柿の実の青き秋暑や兵士去る
(横光利一)

柿の木のいつまで滴らす喜雨しづく
(波多野爽波)

柿はちぎり棗は多く拾ひけり
(河東碧梧桐)

柿光るや記憶の母の腰まがり
(岸風三樓)

柿二つ吾が供へて虚子の像
(高野素十)

柿むいて新酒の酔を醒すべく
(寺田寅彦)

柿むく手母のごとくに柿をむく
(西東三鬼)

柿もぎの余所目に青き蜜柑かな
(会津八一)

柿山をのぼりて蜜柑山くだる
(右城暮石)

柿割て君おもふやのうらとはむ
(高井几董)

柿を買ふちひさな幸をよろこびぬ
(上村占魚)

柿を食ひをはるまでわれ幸福に
(日野草城)

君が恋柿のへたとも思はれず
(佐藤紅緑)

客去りしあとの淋しき柿の種子
(高橋淡路女)

去来抄柿を喰ひつゝ読む夜かな
(高浜虚子)

切株におきてまつたき熟柿かな
(飯田蛇笏)

下宿屋の柿熟せんとすれ共得ず
(寺田寅彦)

木がらしに梢の柿の名残かな
(服部嵐雪)

子に混りぼんくらの柿打ち落とす
(辻田克巳)

この庭の柿より茂りはじまりぬ
(星野立子)

里ふりて柿の木持たぬ家もなし
(松尾芭蕉)

さみしさの種無柿を食うべけり
(三橋鷹女)

子規まつる柿青けれど供へけり
(河野静雲)

渋いとこ母が喰ひけり山の柿
(小林一茶)

渋柿の板塀たたく野分かな
(会津八一)

渋柿の色艶栄えてあはれなり
(日野草城)

渋柿のつれなき色にみのりけり
(高橋淡路女)

渋かろか知らねど柿の初ちぎり
(加賀千代女)

しみじみと日を吸ふ柿の静かな
(前田普羅)

そくさいの数にとはれむ嵯峨の柿
(向井去来)

地に落ちて輝やく熟柿一瞥す
(松村蒼石)

つくねんと柿の木いっぽん枯月夜
(高澤良一)

手のとどくところに柿をいつくしむ
(山口青邨)

とう~と滝おちてゐて柿甘し
(萩原麦草)

奈良の宿御所柿くへば鹿が鳴く
(正岡子規)

残されて一霜被たる柿の色
(石塚友二)

残る葉と染かはす柿や二ツ三ツ
(炭太祇)

人ごみの中手みやげの枝葉柿
(瀧井孝作)

一つづゝ柿もちて立つ子らの路
(横光利一)

ひとり旅しぶ柿くうた顔は誰
(服部嵐雪)

ふるさとのころ柿食うべ年迎ふ
(臼田亞浪)

ほぞ落ちの柿の音聞く深山かな
(山口素堂)

水飲むが如く柿食ふ酔のあと
(高浜虚子)

店先に潰いゆる熟柿鶴来る
(亀井糸游)

御仏に供へあまりの柿十五
(正岡子規)

焼きこがす熟柿一ツや置火鉢
(広瀬惟然)

山負うて連る村や柿の秋
(皆川白陀)

山かげの柿照る村や百舌日和
(中勘助)

山寺や猿が柿折る音すなり
(中勘助)

山の霧罩めたる柿の雫かな
(飯田蛇笏)

夕迫る海が真下ぞ木守柿
(飯田龍太)

ゆく年やいんろうむしの柿の渋
(久保田万太郎)

よろ~と棹がのぼりて柿挟む
(高浜虚子)

 


【和歌・短歌に詠まれた「柿」】


柿の実の
あまきもありぬ柿の実の
しぶきもありぬしぶきぞうまき
(正岡子規)

時雨雲
はるれば見えぬ楢山に
まじりて赤き柿の木畑
(島木赤彦)

まばらなる
竹のかなたのしろかべに
しだれてあかきかきの實のかず
(会津八一)

 


【関連季語・子季語】


熟柿  渋柿

柿の秋  木守柿

 


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