子 猫
【鑑 賞】 つけてやりし鈴ふりならす子猫かな
大正初期から昭和中期にかけての小説家・俳人であるの俳句作品。
子猫の可愛らしい仕草が目に浮かんでくる句。
以下、季語「子猫」の解説です。
【表 記】
(漢字) 子猫
(ひらがな) こねこ
(ローマ字) koneko
【季 節】
春
【分 類】
動物
【意味・説明】
単に「猫」とした場合は季語となりませんが、「子猫」「猫の子」「猫の親」などは春の季語となります。
【俳句例】
※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。
一生の決まらんとして子猫鳴く
(行方克巳)
蝦夷菊に渦巻いて寄る子猫の尾
(長谷川かな女)
大寺に障子はる日の猫子猫
(三好達治)
親とゐてはらから多き子猫かな
(山口波津女)
親に似し子猫一つをのこしけり
(河野静雲)
学問の胡坐の膝の子猫かな
(日野草城)
紙とんでゐしにはあらず子猫かな
(星野立子)
閑適や子猫を膝に山を見て
(富安風生)
くすぐつたいぞ円空仏に子猫の手
(加藤秋邨)
薫風や子猫下り次ぐ庭草に
(長谷川かな女)
子猫の名われに教へて呼びにけり
(上村占魚)
子猫啼くうすももいろの口あけて
(今井千鶴子)
子猫ねむしつかみ上げられても眠る
(日野草城)
子らの世は子猫もわらふことありき
(加藤秋邨)
大地怖れて這へぬ子猫を嘲る子等
(河野静雲)
寵愛の子猫の鈴の鳴り通し
(高浜虚子)
掌にのせて子猫の品定め
(富安風生)
解き捨てししごきの中の子猫かな
(野村喜舟)
二三疋子猫産れし侘居かな
(吉武月二郎句)
猫嫌ひなどと言ひつつ子猫抱く
(稲畑汀子)
葉がくれの瓜と寝ころぶ子猫哉
(小林一茶)
春の日を一日眠る子猫かな
(正岡子規)
日日草子猫可弱くあそび居る
(長谷川かな女)
拾ひ来し子猫の三毛はよごれ居る
(高木晴子)
蕗の葉に糸を引く血や子猫居ず
(長谷川かな女)
迷ひ来し子猫垣根にそひ逃げる
(高木晴子)
麥飯の麥こぼしゐる仔猫かな
(後藤夜半)
眼つむりて親のそばなる子猫かな
(山口波津女)
もう既に子猫が申す好き嫌ひ
(有馬朗人)
貰ひ来し子猫にリボンとりあへず
(上村占魚)
流水を見てゐる秋の子猫かな
(高橋淡路女)
【関連季語・子季語】
猫の子 猫の親 猫の恋
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