はじけそうな栗の実

 

【鑑 賞】栗焼てしづかに話す夕哉

明治時代の俳人・歌人である正岡子規(まさおかしき)の作品。

秋の日暮れの寂しさがしみじみと感じられる句。

 

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以下、季語「栗」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 栗

(ひらがな) くり

(ローマ字) kuri

 


季 節


 


【分 類】


植物

 


【意味・説明】


栗は古くから食用とされ、縄文時代には既に栽培されていたといわれています。


Chestnuts have been edible since ancient times and are said to have been cultivated already in the Jomon period.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

青栗の刻一刻にゆふまぎる
(山口誓子)

雨ためて添ふみなし栗栗拾ふ
(皆吉爽雨)

毬栗のはぜかかりゐる八重葎
(飯田蛇笏)

いが栗のはぢける音やけふの月
(正岡子規)

毬栗や手に捧たる法の場
(服部嵐雪)

えにしかな夫に栗むく六十年
(及川貞)

落栗の座を定めるや窪溜り
(井上井月)

落栗や墓に経よむ僧の前
(黒柳召波)

かうなれば意地なり栗をとことん剥く
(高澤良一)

くたびれは栗のはさまる草鞋かな
(高浜虚子)

栗備ふ恵心の作の弥陀仏
(与謝蕪村)

栗はねて失せるを灰に求め得ず
(夏目漱石)

栗拾ひねん~ころり言ひながら
(小林一茶)

栗むいてしづかに冬のともしびに
(京極杞陽)

栗焼くやまこと淋しき山住ひ
(高橋淡路女)

栗焼けば寝そびれあそぶ末子かな
(水原秋桜子)

坂を下りて左右に藪あり栗落つる
(河東碧梧桐)

信濃路に子は眠りゐむ栗を剥く
(加藤楸邨)

柴栗の柴もみいでて栗もなし
(室生犀星)

旅にして焼栗買ひぬ紅葉狩
(高橋淡路女)

小さなる栗なつかしき山家かな
(村上鬼城)

近道やいが栗落て足をさす
(正岡子規)

父さみし母の忌日の栗むきて
(菖蒲あや)

月の夜の落栗拾ひ尽しけり
(芥川龍之介)

てのひらに柴栗妻がのこしけり
(石田波郷)

握りもつ山栗ひとつ訣れ来し
(橋本多佳子)

独り居て淋しく栗をむく日かな
(杉田久女)

拾ひ来て畳に置きぬ丹波栗
(前田普羅)

踏み入りし栗の林の落葉かな
(野村泊月)

古寺や栗をいけたる椽の下
(上島鬼貫)

窓にゐて少しもらひぬ拾ひ栗
(長谷川かな女)

みなし栗ふめばこころに古俳諧
(富安風生)

焼栗の冷ゆれば重し翁の忌
(秋元不死男)

山の日や落ちてしづけき栗の毬
(原石鼎)

山びこのひとりをさそふ栗拾ひ
(飯田蛇笏)

茹で栗の当たりはずれを妻の云ふ
(高澤良一)

 


【関連季語・子季語】


毬栗  柴栗  落栗

 


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