ミヤコドリ

都 鳥

 

【鑑 賞】 昔男ありけりわれ等都鳥

大正時代から昭和後期にかけての俳人・富安風生(とみやすふうせい)の俳句作品。

伊勢物語を彷彿とさせる句。

 

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以下、季語「都鳥」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 都鳥

(ひらがな) みやこどり

(ローマ字) miyakodori

 


季 節


 


【分 類】


動物

 


【意味・説明】


「都鳥」は『万葉集(まんようしゅう)』の和歌に詠み込まれていたり、『伊勢物語(いせものがたり)』にも記述がみられ、ミヤコドリ科の鳥類です。

なお今日では、伊勢物語に登場する「都鳥」は、カモメ科のユリカモメとするのが通説です。

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

雨が霙に変つて都鳥流るる
(長谷川かな女)

遅れ翔つ一羽だになし都鳥
(西村和子)

書き捨つる一句都鳥の句なり
(山口青邨)

川の面にこころ遊びて都鳥
(高浜虚子)

川幅が空を拡げて都鳥
(稲畑廣太郎)

こと問はん阿蘭陀広き都鳥
(井原西鶴)

扨あかき娘の足袋や都どり
(黒柳召波)

塩にしてもいざことづてん都鳥
(松尾芭蕉)

時化来るや内濠を打つ都鳥
(内田百間)

下積みのあくせく知らぬ都鳥
(高澤良一)

煤けたる都鳥とぶ隅田川
(高浜虚子)

その昔膳所で越年都鳥
(高澤良一)

大正で変りたる世や都鳥
(京極杞陽)

何もかも曇つてしまひ都鳥
(久保田万太郎)

橋越へて水もしたたる都鳥
(高澤良一)

母を亡くし友ここに住み都鳥
(深見けん二)

富士見ゆる日和となりぬ都鳥
(皆川盤水)

古き名の一料亭や都鳥
(阿波野青畝)

万歳は今も烏帽子ぞ都鳥
(正岡子規)

都鳥あそぶ川舟にも国旗
(加倉井秋を)

都鳥今も跳ねをる勝鬨橋
(高澤良一)

都鳥囀つて曰く船頭どの
(正岡子規)

都鳥高しや朝の日に向くは
(岸風三樓)

都鳥なつかしきことをいかんせん
(京極杞陽)

都鳥汝も赤きもの欲るや
(山口青邨)

都鳥都を分つ水ひろ~
(阿波野青畝)

都鳥ゐる水につゞく厨かな
(久米正雄)

昔男ありけりわれ等都鳥
(富安風生)

物干に女出て来て都鳥
(松本たかし)

雪の日の隅田は青し都鳥
(正岡子規)

落第やひとつ泛いてる都鳥
(龍岡晋)

 


【和歌・短歌に詠まれた「都鳥」】


舟競ふ
堀江の川の水際に
来居つつ鳴くは都鳥かも
(大伴家持)

 


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