夏の夜空の花火

夏の夜

 

【鑑 賞】 夏の夜の月くもらせる蚊遣哉

明治時代の俳人・歌人である正岡子規(まさおかしき)の俳句作品。

何ともいえない夏の風情が強く感じられる句。

 

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以下、季語「夏の夜」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 夏の夜

(ひらがな) なつのよる

(ローマ字) natsunoyoru

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


夏の夜には、戸外に涼を求めて散策したり、川に映る灯影を眺めたりなど、さまざまな趣きがあります。

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

朝がほや夏の夜ならば夢の内
(加賀千代女)

会ひて安し夏の夜母の横坐り
(村越化石)

おろしたてパジャマに夏の夜の更くる
(高澤良一)

飼犬の鳴き交ふ夏の夜となりぬ
(高澤良一)

崖なほす人夫を夏の夜に怖る
(右城暮石)

傾城をよぶ声夏の夜は明けぬ
(正岡子規)

夏の夜のあけ残りけり吾妻橋
(正岡子規)

夏の夜のあてし瞋りの刃のひけず
(稲垣きくの)

夏の夜の風吹いてゐる墓の丈
(飯田龍太)

夏の夜の汽車のけむりの粒膝に
(篠原梵)

夏の夜の性根を酒にのまれけり
(久保田万太郎)

夏の夜の過ぎゆくものの杳として
(桂信子)

夏の夜の星座よ忘れがちなること
(右城暮石)

夏の夜の膳の狼藉ひかれけり
(久保田万太郎)

夏の夜のちぎりおそろし橋の霜
(加賀千代女)

夏の夜の提燈を消す息を白み
(山口誓子)

夏の夜のひと寝たる燈を陸に見る
(山口誓子)

夏の夜のふくるすべなくあけにけり
(久保田万太郎)

夏の夜の梟に吠ゆ犬弊私的里
(川端茅舎)

夏の夜のベツドを船とねむりけり
(村越化石)

夏の夜の星ひとつ撰りて船にかかぐ
(山口誓子)

夏の夜の満天の星に船檣を
(山口誓子)

夏の夜の夢や管家の詩のこゝろ
(各務支考)

夏の夜はそこの寝姿や小人嶋
(井原西鶴)

夏の夜はねぬに起てや旅のたび
(各務支考)

夏の夜は山鳥の首に明にけり
(池西言水)

夏の夜やあの声はみなすゝみ舟
(正岡子規)

夏の夜やいく原越る水戸肴
(小林一茶)

夏の夜や崩て明し冷し物
(松尾芭蕉)

夏の夜やたゝいてまはる臀
(尾崎紅葉)

夏の夜や橋桁焦がす船篝
(野村喜舟)

夏の夜や日暮れながらに明る不二
(正岡子規)

麦めしのへらぬに夏の夜明哉
(森川許六)

眼鏡かけて書を読む夏の夜忙し
(正岡子規)

横雲に夏の夜あける入江哉
(正岡子規)

 


【関連季語・子季語】


夏の宵  夜半の夏

 


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