笊の上の葱

 

【鑑 賞】 葱さげて橋のなかほどより淋し

昭和時代の俳人・長谷川双魚(はせがわそうぎょ)の俳句作品。

寒々しい冬の情景が目に浮かんでくる句。

 

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以下、季語「葱」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 葱

(ひらがな) ねぎ

(ローマ字) negi

 


季 節


 


【分 類】


植物

 


【意味・説明】


葱は、ユリ科の多年草で、「ねぶか」や「ひともぢ」と呼ばれることもあります。

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

アカハタと葱置くベツド五月来る
(寺山修司)

味と云ひ見てくれと云ひ下仁田葱
(高澤良一)

入相の秋の鐘きく葱提げて
(稲垣きくの)

おのづから流るゝ水葱の月明り
(杉田久女)

折れ葱の伸びんとにほふ俄寒
(能村登四郎)

囲ひ葱犬がよぎりしのみの庭
(阿部みどり女)

寒凪の夕月早く葱掘れる
(金尾梅の門)

寒風に葱ぬくわれに絃歌やめ
(杉田久女)

ぐい呑にきざみ葱あり良夜にて
(能村登四郎)

月光のあまねく葱に性根入る
(高澤良一)

この街は顔を洗ひし葱ばかり
(櫂未知子)

下仁田の土をこぼして葱届く
(鈴木真砂女)

畜類の肉もこのもし葱の味
(飯田蛇笏)

ちり鍋やぎんなん覗く葱の隙
(石塚友二)

月にねむる峯風つよし葱をとる
(飯田蛇笏)

燈台の下にて葱の白根剥かる
(木村蕪城)

泥葱は考へぶかく貧しかり
(栗林千津)

葱かかへ寒さの光る中に墜つ
(石原八束)

葱と見てゆきちがひしが端午の日
(篠田悌二郎)

葱の根の白さしのぼるごとくなり
(能村登四郎)

葱の根をコップに生けて子の下宿
(上野さち子)

刃ごたへの堅き葱はも弥生尽
(鈴木真砂女)

はつしもや吉田の里の葱畑
(高浜虚子)

伏せ葱に夕三日月の影しけり
(臼田亞浪)

交りは葱の室に入にけり
(炭太祇)

満月に葱折れてより交を絶つ
(秋元不死男)

水のめば葱のにほひや小料亭
(芝不器男)

山がつに葱の香つよし小料理屋
(飯田蛇笏)

山へ帰る荷に葱すこし年の暮
(右城暮石)

夜の客に手探りに葱引いて来し
(中村汀女)

レポートに葱の匂ひすどの顔ぞ
(加藤楸邨)

 

 


【関連季語・子季語】


葱畑  葱洗ふ  葱ぬく

一文字  根深  葉葱  深葱

下仁田葱  深谷葱  九条葱  千住葱

 


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