獅子舞
【鑑 賞】 獅子舞は入日の富士に手をかざす
大正時代から昭和後期にかけての俳人・水原秋桜子(みずはらしゅうおうし)の俳句作品。
夕暮れ時の富士が見える美しい情景が目に浮かんでくる句。
以下、季語「獅子舞」の解説です。
【表 記】
(漢字) 獅子舞
(ひらがな) ししまい
(ローマ字) shishimai
【季 節】
新年
【分 類】
人事
【意味・説明】
獅子舞は獅子頭(ししがしら)をかぶって舞う民俗芸能で、二人立ちのものと一人立ちのものとがあります。
正月に家々を訪れてめでたい芸を披露し、新しい年の訪れを祝福します。
【俳句例】
※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。
畦潰ゆ獅子舞獅子を肩に垂れ
(石川桂郎)
子を抱きて待つ獅子舞のそれゆきぬ
(林翔)
獅子舞に暇乞唄暇笛
(加倉井秋を)
獅子舞に山の手暮色雪ふり出す
(富安風生)
獅子舞のあはれ狂ひとなン驚破
(久保田万太郎)
獅子舞の憩ひゐるとき頭を脱ぎて
(河野南畦)
獅子舞の巨口がつくり舞ひ納む
(福田蓼汀)
獅子舞の口の奥より酔ひて笑ふ
(加藤楸邨)
獅子舞の獅子目覚めたるところより
(高澤良一)
獅子舞の反りかへりたる空に雲
(久米正雄)
獅子舞の太鼓松風ぐもりかな
(久保田万太郎)
獅子舞の橋に行き会ふきらびやか
(久米正雄)
獅子舞の胸紅く運河渡るなり
(石田波郷)
獅子舞の藪にかくれて現れぬ
(高浜虚子)
獅子舞は巷に世阿弥五百年
(久米正雄)
獅子舞や戯絵ふせたる机辺まで
(前田普羅)
獅子舞やしばらく恋の二つ面
(久保田万太郎)
獅子舞や師走の空の雪催ひ
(富田木歩)
獅子舞や篁の土乾ききり
(石川桂郎)
獅子舞やちやらけはちまき太鼓方
(久保田万太郎)
獅子舞やー人よすけのりちぎにて
(久保田万太郎)
獅子舞や大和に古りし長谷街道
(鈴鹿野風呂)
獅子舞を終へし囁き真顔となる
(加藤楸邨)
新兵の欠礼街に獅子舞へり
(萩原麦草)
七日銀座獅子舞が人を見て佇てり
(長谷川かな女)
荷を解きて獅子舞となる舟着場
(米澤吾亦紅)
初瀬の駅獅子舞汽車を待てるかも
(山口誓子)
母の銭温し獅子舞の短さよ
(小林康治)
吹かれつつ獅子舞とゆく伊良胡岬
(大野林火)
山越えて来る獅子舞に兎網
(米沢吾亦紅)
雪をたひらに棲めば獅子舞来たるなり
(村越化石)
【関連季語・子季語】
獅子頭
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