二つのサイコロ

双 六

 

【鑑 賞】 双六に気のなき賽を父振りし

昭和中期から平成中期にかけての俳人・森澄雄(もりすみお)の俳句作品。

 双六にあまり気乗りしない父の心情がよく伝わってくる句。

 

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以下、季語「双六」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 双六

(ひらがな) すごろく

(ローマ字) sugoroku

 


季 節


新年

 


【分 類】


人事

 


【意味・説明】


双六は古代インドで発祥し、奈良時代に中国から日本に伝来しました。

「双六」は清少納言(せいしょうなごん)の『枕草子(まくらのそうし)』などの文学作品にも記述されています。

双六には、二人で対戦する盤双六(ばんすごろく)と、複数人が競争する絵双六(えすごろく)があります。

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

老い二人双六におどけ冬籠
(山田みづえ)

笊に入れて置く双六の蜜柑かな
(長谷川かな女)

四さへある双六の賽振らばやな
(相生垣瓜人)

出世して上る双六ふと貧し
(後藤比奈夫)

双六道中二日休みの大井川
(上田五千石)

双六にいれてもらへず父は立つ
(鷹羽狩行)

双六に負けておとなしく美しく
(高浜虚子)

双六の上り大文字山が待つ
(下村ひろし)

双六の一がよく憑く不思議かな
(阿波野青畝)

双六の賽転がりて袖の上
(山口波津女)

双六の賽に雪の気かよひけり
(久保田万太郎)

双六の賽振り奥の細道へ
(水原秋桜子)

双六の高雄の紅葉比叡の雪
(後藤比奈夫)

双六の道中川止めまぬかれたり
(上田五千石)

雙六のどこへころげて樂まん
(正岡子規)

双六の忍者の伊賀を一跳びに
(下村ひろし)

双六の振出しで乗る人力車
(後藤比奈夫)

双六の振出しといふ初心あり
(後藤比奈夫)

双六の三島に春の日は暮れぬ
(正岡子規)

双六の戻りて大井川越せず
(池田秀水)

双六や歩いてをりし能登の国
(斉藤美規)

双六や押立槍の早上り
(西山泊雲)

双六や屑目平凡にわが娘
(日野草城)

雙六や盧生の夢のふりあがり
(正岡子規)

双六やわが名ひとの名打重ね
(野村喜舟)

双六をひろげて淋し賽一つ
(久保田万太郎)

双六を目がけて五指のひらくとき
(阿波野青畝)

遠き世の双六の雲母零れけり
(高橋睦郎)

花双六さくら一枝に上りけり
(山田みづえ)

万両や配流の戸に古双六
(古舘曹人)

雪や牡丹や双六の旅終りけり
(橋閒石)

 

 


【関連季語・子季語】


絵双六  盤双六

 


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