桜の花

 卯 月

 

【鑑 賞】卯月来ぬましろき紙に書くことば

大正末から昭和後期にかけての俳人・三橋鷹女(みつはしたかじょ)の作品。

月が変わって気持ちも新たになった心境が強く感じられる句。

 

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以下、季語「卯月」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 卯月

(ひらがな) うづき

(ローマ字) uzuki

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


卯月(うづき)は、旧暦四月の異称です。


Uzuki is an alias of the lunar calendar April.

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【例 句】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

尼寺や卯月八日の白躑躅
(飯田蛇笏)

雨つややか卯月あかりの野に出でし
(河野南畦)

あやめ黄に卯月はものを思ひもす
(三橋鷹女)

いま見しは大魚か人か卯月波
(中村苑子)

歌枕卯月曇に松ななめ
(木村蕪城)

卯月波白磁のごとく砕けたり
(皆川盤水)

卯月野にうち捨てられし手塩皿
(柿本多映)

卯月野のほとけの親にあひに来し
(西島麦南)

卯月野やげんげん褪せて水光る
(青木月斗)

卯月の夜夢見むための身の眠り
(村越化石)

卯月はや筍固くなりにけり
(野村喜舟)

卯の花や誰が卯月より此の曇り
(立花北枝)

過去帳に卯月の仏殖えにけり
(野村喜舟)

彼方なる卯月の浪となりにけり
(清水基吉)

蚊の居るとつぶやきそめし卯月かな
(高浜虚子)

枯山水卯月あかりの木々やさし
(河野南畦)

草刈の帯の赤きも卯月かな
(野村喜舟)

くばりあふ卯月八日のよもぎ餅
(長谷川素逝)

国境に雪を降らせし卯月かな
(長谷川かな女)

この空につづくみちのく卯月晴
(阿部みどり女)

酒のあと蕎麦の冷たき卯月かな
(野村喜舟)

椎茸の山へ卯月の水を引く
(阿部みどり女)

仕入れたる茄子の小さき卯月かな
(鈴木真砂女)

汐入りの汐さす卯月ぐもりかな
(石原八束)

島近し卯月ぐもりの日は殊に
(稲畑汀子)

師をしたふこゝろに生くる卯月かな
(飯田蛇笏)

水虎鳴く卯の花月の夜明けかな
(飯田蛇笏)

たそがれの草花売も卯月かな
(富田木歩)

溜池に蛙闘ふ卯月かな
(夏目漱石)

はやり来る羽織みじかき卯月かな
(立花北枝)

日はながし卯月の空もきのふけふ
(加賀千代女)

仏さま杖つき来ませ卯月の夜
(村越化石)

松影は卯月こよなきしづけさよ
(右城暮石)

山落ちて野を行く水の卯月かな
(尾崎迷堂)

良寛堂卯月半ばの雀来て
(高澤良一)

 


【関連季語・子季語】


四月

 


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