燈籠の灯り

夜の秋

 

【鑑 賞】うつしゑを見上げては書き夜の秋

昭和時代の俳人・星野立子(ほしのたつこ)の作品。

「うつしゑ」という語が、何ともいえない雰囲気を醸し出している句。

 

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以下、季語「夜の秋」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 夜の秋

(ひらがな) よるのあき

(ローマ字) yorunoaki

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


「夜の秋」は、夏の終り頃の、涼しくて何となく秋めいた感じのする夜のことを表現する季語です。

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

うからやから老いては泣けり夜の秋
(岸田稚魚)

エッセイのとば口に佇つ夜の秋
(高澤良一)

おほははの昔話や夜の秋
(福田蓼汀)

かくし貼る膏薬にほふ夜の秋
(菖蒲あや)

かくて外を玻璃がへだてゝ夜の秋
(高木晴子)

カンテラを提げ河原湯へ夜の秋
(福田蓼汀)

元素記号子の諳んずる夜の秋
(高澤良一)

兀然とわが顔ありぬ夜の秋
(岸田稚魚)

こまやかにいさきをつつき夜の秋
(長谷川櫂)

さそり座に欅が触れぬ夜の秋
(及川貞)

参歳の童子の騎虎図夜の秋
(磯貝碧蹄館)

たたみの上にテレビ水音夜の秋
(中村草田男)

たんねんに洗ふ蹠や夜の秋
(大石悦子)

地下鉄は青き火花を夜の秋
(長谷川櫂)

ちちははの国に寝惜しみ夜の秋
(鷹羽狩行)

中年や独語おどろく夜の秋
(西東三鬼)

友去りて一燈見つむ夜の秋
(林翔)

トランプのジャック振向く夜の秋
(高澤良一)

何も言はず妻倚り坐る夜の秋
(能村登四郎)

にじますもやまめもこひも夜の秋
(久保田万太郎)

ぬり下駄を光らせあゆむ夜の秋
(松村蒼石)

はるかなるもの見えてくる夜の秋
(伊藤敬子)

ぺらぺらの着慣れしパジャマ夜の秋
(高澤良一)

名曲いま潮満つごとし夜の秋
(楠本憲吉)

夜の秋の縁より上り訪るる
(星野立子)

夜の秋のコップの中の氷鳴る
(内藤吐天)

夜の秋のそこの黄柏の文机
(岡井省二)

夜の秋の投げだす足裏闇に向く
(大野林火)

夜の秋の噴上げしのび泣けるかな
(久保田万太郎)

夜の秋の平家におよぶ話かな
(大峯あきら)

夜の秋の燃ゆる浅間を見にや行かむ
(水原秋桜子)

夜の秋や村をめぐれる川ありて
(羽部洞然)

夜の秋を小町寺より遊び尼
(山口誓子)

をさな子の白地を見れば夜の秋
(森澄雄)

 


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