雪山の雪だるま

雪だるま

 

【鑑 賞】月に寝し喪家の門や雪達磨

明治末から昭和前期にかけての俳人・渡辺水巴(わたなべすいは)の作品。

ひっそりとした月夜の光景が目に浮かんでくる句。

 

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以下、季語「雪だるま」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 雪だるま

(ひらがな) ゆきだるま

(ローマ字) yukidaruma

 


季 節


 


【分 類】


人事

 


【意味・説明】


雪だるまは、雪を固めて「達磨(だるま)」のような形にしたものです。

江戸時代後期の絵画に描かれている雪だるまは「達磨大師」を強く意識したもので、縁起物として作られていたことがうかがえます。


Yukidaruma is made into a shape like “Daruma” by hardening the snow.

Yukidaruma drawn in the painting of the late Edo period is strongly aware of “darumadaishi”, it can be seen that it was made as an lucky item.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

朝の日に濡れ始めたる雪達磨
(稲畑汀子)

家々の灯るあはれや雪達磨
(渡辺水巴)

居酒屋の灯に佇める雪だるま
(阿波野青畝)

欝としてはしかの家に雪だるま
(辻田克巳)

遠隔に一孫春の雪だるま
(百合山羽公)

おぼえある町なり辻に雪だるま
(水原秋桜子)

奇禍なきや雪達磨夜々雪肥り
(成田千空)

昨日見た處にはなし雪だるま
(正岡子規)

清水の舞台の上の雪達磨
(五十嵐播水)

狂ひ寝や雪達磨に雪降りつもる
(中村草田男)

昏れてをり面潰えし雪だるま
(山田みづえ)

始業ベル雪塊雪達磨ともならず
(津田清子)

芝生転ぶに安し少年と雪だるま
(三橋鷹女)

朱の盆に載せて丹波の雪うさぎ
(草間時彦)

雀もろとも夕焼けてをり雪達磨
(村山古郷)

雪塊を二つ重ねし雪達磨
(右城暮石)

転学の子に友はなし雪達磨
(福田蓼汀)

庇かげはづれて月の雪達磨
(五十嵐播水)

二つ目の雪達磨あり作りかけ
(高澤良一)

松とるや小くなりし雪達磨
(野村泊月)

松ぼくり以て両の眼雪だるま
(高澤良一)

村の灯のことごとく消え雪達磨
(木内彰志)

八衢の夜ぞふけにけり雪達磨
(西島麦南)

雪達磨朝日にむいて赫と立つ
(長谷川かな女)

雪だるま北なる肩を高くせり
(岸風三楼)

雪達磨草の庵をかためけり
(川端茅舎)

雪だるま午後は目鼻もなかりけり
(池田秀水)

雪達磨とけゆく魂のなかりけり
(西島麦南)

雪だるま星のおしゃべりぺちやくちやと
(松本たかし)

雪ふれば女子大もつくる雪達磨
(山口青邨)

 


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