秋の空と芒に吹く風

秋の声

 

【鑑 賞】渓流の碧きに降りて秋の声

昭和初期から平成初期にかけての俳人・細見綾子(ほそみあやこ)の作品。

渓流の音が聞こえる秋の情景が目に浮かんでくる句。

 

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以下、季語「秋の声」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 秋の声

(ひらがな) あきのこえ

(ローマ字) akinokoe

 


季 節


 


【分 類】


天文

 


【意味・説明】


「秋の声」は、空や草木に吹く秋風の響きを表現する季語です。


“Akinokoe”is a seasonal word that expresses the sound of the autumn wind blowing in the sky and plants.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

秋の声間の襖をすこし開け
(長谷川かな女)

秋の声あかつき風雨強ければ
(山田みづえ)

秋の声谷深まりて来て人家
(中村汀女)

秋の声何かを待てる胸に胸に
(篠田悌二郎)

秋の声ぽぷらのそれも聞くべきか
(相生垣瓜人)

秋の声胸に未完の詩そだて
(柴田白葉女)

明けてけさ鍋の尻かく秋の声
(高井几董)

うつの山にけふたちかへる秋の声
(上田五千石)

梅ちるやまつのゆふ辺も秋の声
(加賀千代女)

かたげこぼす壺の水より秋のこゑ
(三橋鷹女)

聞き耳を立てしが秋の声ならず
(相生垣瓜人)

北上の渡頭に立てば秋の声
(山口青邨)

帛を裂く琵琶の流や秋の声
(与謝蕪村)

虚子に俗なし隣の三味に秋の声
(正岡子規)

雲起て寺門を出づる秋の声
(加藤暁台)

参道の木より石より秋の声
(鷹羽狩行)

三人の声に答へよ秋の声
(榎本其角)

時雨れむず橋下の水の秋の声
(臼田亜郎)

水車場の杵上下せり秋の声
(阿波野青畝)

すでにもや身につきそめし秋の声
(岸田稚魚)

正しう聞きぬ呱々の声又秋の声
(中村草田男)

中流へ出て水寂し秋の声
(日野草城)

妻なしの背筋ばしりに秋の声
(能村登四郎)

爪打ちに応ふる鐘の秋の声
(富安風生)

手のひらをしかと合はせて秋の声
(細見綾子)

流れ去る時の音かも秋の声
(相馬遷子)

廃苑のどこに佇ちても秋の声
(上田五千石)

撥音や上野をめぐる秋の聲
(正岡子規)

人里に人の声して秋の暮
(鈴木真砂女)

人びとのこゑごゑそこに秋の声
(森澄雄)

火の山を負へれば詩碑に秋の声
(皆吉爽雨)

灯を消して夜を深うしぬ秋の声
(村上鬼城)

ピン抜くや抜けて絡む毛秋の声
(竹下しづの女)

噴水に立てば秋声よそに去る
(百合山羽公)

マロニエの巴里の実植うる秋の声
(秋元不死男)

みそぎして寄せくる秋の声きかん
(中勘助)

 

 


【関連季語・子季語】


秋声  秋の音

 


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