白いバラの花

父の日

 

【鑑 賞】嘉定喰忘れて父の日も忘る

大正末期から平成初期にかけての俳人・百合山羽公(ゆりやまうこう)の作品。

嘉定喰という行事の古めかしさが魅力的に感じられる句。

 

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以下、季語「父の日」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 父の日

(ひらがな) ちちのひ

(ローマ字) chichinohi

 


季 節


 


【分 類】


人事

 


【意味・説明】


父の日は父親に感謝する日で、6月の第三日曜日です。

母の日に贈る花がカーネーションであるのに対して父の日にはバラを贈ることが一般的です。


Father’s Day is a day to thank fathers and is celebrated on the third Sunday in June.

Carnations are usually given on Mother’s Day, while roses are usually given on Father’s Day.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

風強き父の日を今うべなへり
(能村登四郎)

疵多き仙人掌父の日に咲けり
(百合山羽公)

父の日来ぬ病みて慕はる昨日今日
(河野南畦)

父の日といふさびしき日ありて老ゆ
(安住敦)

父の日とすれ違ひなる旅もどり
(能村登四郎)

父の日にたまたま漏るる日影あり
(相生垣瓜人)

父の日の青空はあり山椒の木
(佐藤鬼房)

父の日の明方の地震わたりをり
(八木林之助)

父の日の渦こまやかに木目菓子
(能村登四郎)

父の日の加賀鳶の封切りにけり
(高澤良一)

父の日の隠さうべしや古日記
(秋元不死男)

父の日の竹ひと節を加へけり
(岸風三楼)

父の日の父の鴉の声を聴け
(木村蕪城)

父の日の弟子に諭されゐたりけり
(秋元不死男)

父の日の贄のごとくに手摺れの木
(栗林千津)

父の日の薔薇を抱きて見せしこと
(後藤夜半)

父の日の冷奴でも招ばれむか
(安住敦)

父の日の昼寝セットのプレゼント
(高澤良一)

父の日の触れてつめたき蘭の花
(飯田龍太)

父の日の餅あしつよき餅をつく
(成田千空)

父の日の若き父とも同車せり
(相生垣瓜人)

父の日や父よりうけし後生楽
(行方克巳)

父の日や茄子は小さき花つけて
(池田秀水)

父の日や病む胃を抱きて五十過ぎ
(村山故郷)

父の日やわが著書撫して子等を待つ
(山口青邨)

父の日をベンチに眠る漢かな
(中村苑子)

友欠けし街父の日の近むかな
(松崎鉄之介)

長く生きて父の日は日の永いさかり
(荻原井泉水)

波際を歩いて父の日なりけり
(今井杏太郎)

パンの耳すぐ落とされし父の日よ
(能村研三)

日もすがら雨意あるもよし父の日は
(能村登四郎)

古き帯まきて父の日青芒
(百合山羽公)

緑濃き朝の雨降る父の日よ
(菖蒲あや)

落梅の音父の日の行方かな
(百合山羽公)

我が事よ父の日賜ふかさばり物
(高澤良一)

 


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