八 月
【鑑 賞】八月の川底明し暮るるまで
昭和中期から平成後期にかけての俳人・古賀まり子(こがまりこ)の作品。
八月の日の長さが感じられる句。
以下、季語「八月」の解説です。
【表 記】
(漢字) 八月
(ひらがな) はちがつ
(ローマ字) hachigatsu
【季 節】
秋
【分 類】
時候
【意味・説明】
旧暦の場合、八月の異称は葉月(はづき)です。
In the case of the lunar calendar, another name for August is Hazuki.
【俳句例】
※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。
紫陽花に八月の山たかからず
(飯田蛇笏)
井戸に汐さして八月終りけり
(鈴木真砂女)
陰暦八月虹うち仰ぐ晩稲守
(飯田蛇笏)
うつくしき旭哉八月十五日
(正岡子規)
子等とまたながき八月きりぎりす
(百合山羽公)
永かりし八月庭を貧しくす
(松村蒼石)
白炎となる八月の城下町
(柴田白葉女)
八月さむし納戸に萱の風入れて
(松村蒼石)
八月の雨に蕎麦咲く高地かな
(杉田久女)
八月のうぐひす幽し嶽の雲
(渡辺水巴)
八月の嘘と親しむ甘納豆
(坪内稔典)
八月の海に指輪を失せし人
(村山故郷)
八月の梅落ち李むらさきに
(山口青邨)
八月の桜落葉を掃けるかな
(富安風生)
八月の社務所掃く音聞えをり
(大峯あきら)
八月の太白ひくし海の上
(正岡子規)
八月のついたちの白づくしかな
(長谷川双魚)
八月の一日桃を奉る
(高野素十)
八月のナガサキアゲハ尾行せよ
(坪内稔典)
八月の野鍛冶鍬打つことやめず
(萩原麦草)
八月の爐あり祭のもの煮ゆる
(木村蕪城)
八月の炉棚地球儀きびしくあり
(長谷川かな女)
八月も果ての没日の遍路道
(飯田龍太)
八月や男生みたる佛師が妻
(寺田寅彦)
八月や馬首かがやきて陽が睡る
(飯田龍太)
八月や干して寝巻の花模様
(森澄雄)
八月や屋根を剥取る荒レ未だ
(野村喜舟)
人を呑む波の八月まったなし
(高澤良一)
ゆるみ出す葦の根信濃八月へ
(筑紫磐井)
をがたまの八月の芽のめでたさよ
(高野素十)
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