桜の花の中の赤い和傘

花 衣

 

【鑑 賞】しどけなく帯ゆるみ来ぬ花衣

大正末から昭和中期にかけての俳人・高橋淡路女(たかはしあわじじょ)の作品。

「しどけなく」の語が、何ともいえない艶めかしさを生み出している句。

 

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以下、季語「花衣」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 花衣

(ひらがな) はなごろも

(ローマ字) hanagoromo

 


季 節


 


【分 類】


人事

 


【意味・説明】


「花衣」とは、花見に際して着る衣服のことです。


“Hanagoromo” is the clothes worn for cherry blossom viewing.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

あるじ亡き大黒にして花衣
(鷹羽狩行)

筏士の蓑やあらしの花衣
(与謝蕪村)

一句碑の幕はさながら花衣
(阿波野青畝)

うつぶいて衣紋聳ゆる花衣
(日野草城)

後れじとゆすらの梅も
花ごろも(石塚友二)

風入るる妻の遺せし花衣
(森澄雄)

ざれありく主よ下人よ花衣
(榎本其角)

じやんけんの白き拳や花衣
(日野草城)

栓抜を帯に挿せども花衣
(阿波野青畝)

旅鞄ほどけばあふれ花衣
(稲畑汀子)

旅衣花衣ともなりながら
(星野立子)

旅疲れさらりと捨てん花衣
(稲畑汀子)

ぬぎすてし人の温みや花衣
(飯田蛇笏)

花衣着て三鬼以下雲を漕ぐ
(平畑静塔)

花衣こゝに吾妹子風呂の中
(日野草城)

花衣紺を己の色として
(鈴木真砂女)

花衣にて陣取りが茣蓙抱ふ
(平畑静塔)

花衣二の腕あたり冷えてきし
(神尾久美子)

花衣ぬぎてたゝみてトランクに
(星野立子)

花衣脱ぎて脱がざる心あり
(稲畑汀子)

花衣ぬぐやまつはる紐いろ~
(杉田久女)

花衣みささぎどころにも動く
(阿波野青畝)

花衣よごれ去来と見ゆる也
(小林一茶)

みのむしの此奴は萩の花衣
(阿波野青畝)

胸あはぬ日もありつらん花衣
(松岡青蘿)

湯の峰の湯に脱がばやの花衣
(阿波野青畝)

落日の魚に袖なし花衣
(上島鬼貫)

留守の戸の鍵を袂や花衣
(皆吉爽雨)

老妻の花衣とや人の婚
(山口青邨)

佗人の虱尽して花ごろも
(黒柳召波)

 


【関連季語・子季語】


花見衣  花見小袖

 


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