花水木の花

花水木

 

【鑑 賞】 素性よき樹木といはむ花水木

昭和前期生まれの俳人・高澤良一(たかざわよしかず)の俳句作品。

花水木の美しい花の姿が目に浮かんでくる句。

 

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以下、季語「花水木」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 花水木

(ひらがな) はなみずき

(カタカナ) ハナミズキ

(ローマ字) hanamizuki

 


季 節


 


【分 類】


植物

 


【意味・説明】


花水木(ハナミズキ)は、ミズキ科ミズキ属の落葉樹の小高木から高木で、樹高が3~8メートルほどになります。

花の色は、品種によって白色や薄いピンク色のものがあります。

1912年に東京市がアメリカのワシントンD.C.へソメイヨシノを贈り、その返礼としてワシントンD.C.から東京市へ贈呈されたのが、植栽の始まりです。

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

会うために生れきし朝花水木
(高澤晶子)

あけぼのやよろこび色に花水木
(上田五千石)

あはあはと浄土のみどり花水木
(林翔)

家裏に廻る夕日や花みづき
(草間時彦)

客間に客そして家裏花水木
(阿部完市)

教会の聖書ぼろぼろ花水木
(大木あまり)

くれなゐの影淡くゆれ花水木
(小島花枝)

この辺の道は迷はず花水木
(稲畑汀子)

桟道の懸るに倦みて花水木
(鷹羽狩行)

死ぬときはわれも仏ぞ花水木
(神蔵器)

生国やいまのまぼろし花水木
(齋藤玄)

霄壌や谷は日を断つ花水木
(古館曹人)

女子寮に皿洗ふ音花水木
(皆川盤水)

スペイン屋根は光の鱗
(伊丹三樹彦)

大学に沙翁講義や花水木
(山口青邨)

滞在やれんぐわ通りの花水木
(稲畑汀子)

高き風白く渡りぬ花水木
(稲畑汀子)

鳩を見てをれば妻来て花水木
(石田波郷)

花水木明日なき恋といふに遠し
(西村和子)

花水木浮きつ浮かせつ顔ひとつ
(小檜山繁子)

花水木彼かぎ彼女かぎ香なし
(山口青邨)

花みづき川は疲れて芥溜む
(角川源義)

花水木高々咲きて気付かれず
(松崎鉄之介)

花みづき十あまり咲けりけふも咲く
(水原秋桜子)

花水木ベイブリッジを乗せにけり
(松崎鉄之介)

花水木待たるることのある如し
(西村和子)

一つづつ花の夜明けの花みづき
(加藤楸邨)

陽は谷へ谷を埋めて花みづき
(佐藤鬼房)

真昼間の空を押しあげ花水木
(伊藤敬子)

マンションは仮の滞在花水木
(稲畑汀子)

水売のようにそよいで花水木
(阿部完市)

みちのくのたのしき友よ花水木
(角川源義)

洋館の多き界隈花水木
(松崎鉄之介)

力士らの手形路面に花水木
(神蔵器)

臨終の目にてもの言ふ花水木
(三森鉄治)

 


【関連季語・子季語】


水木  水木の花

 


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