半夏生の葉

 半夏生

 

【鑑 賞】棕梠よりも梧桐に風や半夏生

大正末から昭和後期にかけての俳人・三橋鷹女(みつはしたかじょ)の作品。

棕梠(しゅろ)でなく梧桐(ごとう、あおぎり)を選ぶ感性に作者らしさが感じられる句。

 

スポンサーリンク

 

 

以下、季語「半夏生」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 半夏生

(ひらがな) はんげしょう

(ローマ字) hangesho

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


半夏生は雑節の一つです、新暦の七月二日頃に当たります。


Hangesho is one of the zassetsu, and it falls around July 2nd in the solar calendar.

スポンサーリンク

 


【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

青空が夜まで残る半夏生
(能村登四郎)

朝の虹消えて一ト雨半夏生
(酒井黙禅)

頭を剃られ僧に非ざる半夏生
(加倉井秋を)

一籌を諭すことありぬ半夏生
(星野麥丘人)

一服の旅発ちの茶や半夏生
(佐藤愛子)

いつまでも明るき野山半夏生
(草間時彦)

火山灰濡らす雨すぎてゆく半夏生
(萩原麦草)

嫌はれてかよふ度胸の半夏生
(筑紫磐井)

塩入れて湯の立ち上がる半夏生
(正木ゆう子)

少女らのジーパンの毳半夏生
(高澤良一)

天突いて竹の子枯るゝ半夏生
(萩原麦草)

半夏生鰻食べたくなりにけり
(鈴木真砂女)

半夏生小松菜の根を切り落し
(鈴木真砂女)

半夏生眠りつすぎし沖のいろ
(飯田龍太)

半夏生葉を白く染め梅雨あがる
(山口青邨)

半夏生ピザの具手を替え品を替え
(高澤良一)

半夏生ひと忌む性に悔のあり
(及川貞)

半夏生れつきとしたる花穂持つ
(右城暮石)

一ト降りにさみしく暮れぬ半夏生
(大野林火)

日々待たれゐて癒えざりき半夏生
(村越化石)

病室に降る煤のあり半夏生
(石田波郷)

含み吐く旅籠の水や半夏生
(長谷川かな女)

平凡な雨の一日半夏生
(宇多喜代子)

水がめに虫の湧きたり半夏生
(上村占魚)

みみずばれなどしてをりぬ半夏生
(岡井省二)

もぐら水嘲るごとし半夏生
(影島智子)

楊梅の欝とありけり半夏生
(石田あき子)

夕かけて日ざしそろひぬ半夏生
(岡井省二)

湯沸してつかはずにゐる半夏生
(能村登四郎)

夜へ継ぐ工煙の炎や半夏雨
(角川源義)

 


【関連季語・子季語】


半夏  半夏雨

 


【他の季語を探す】


春の季語

夏の季語

秋の季語

冬の季語

新年の季語

五十音で探す

 

スポンサーリンク