富士山からの初日の出

初富士

 

【鑑 賞】初富士の大きかりける汀かな

大正時代から昭和後期にかけての俳人・富安風生(とみやすふうせい)の作品。

壮大な富士の姿が目に浮かんでくるような句。

 

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以下、季語「初富士」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 初富士

(ひらがな) はつふじ

(ローマ字) hatsufuji

 


季 節


新年

 


【分 類】


地理

 


【意味・説明】


初富士とは、元日の富士のことをいう季語です。


Hatsufuji is a seasonal word that refers to Mt. Fuji on New Year’s Day.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

薄雲の中に初富士ありにけり
(久米正雄)

硝子絵のよな初富士の浮く浦輪
(久米正雄)

初富士に後ろ向なる渡舟小屋
(鈴木花蓑)

初富士にかくすべき身もなかりけり
(中村汀女)

初富士に雲なく樹海藻の如し
(渡辺水巴)

初富士に珈琲さゝぐボーイあり
(長谷川かな女)

初富士に牢獄の扉はめしひたり
(西島麦南)

初富士の海より立てり峠越
(水原秋桜子)

初富士のかなしきまでに遠きかな
(山口青邨)

初富士の白し葛西の海濁る
(瀧春一)

初富士の鳥居ともなる夫婦岩
(山口誓子)

初富士の夕栄もなく暮れにけり
(大谷碧雲居)

初富士の玲瓏巨き創あをし
(篠田悌二郎)

初富士は枯木林をぬきん出たり
(高濱年尾)

初富士へ農家はラヂオかけ放す
(田川飛旅子)

初富士やねむりゐし語の今朝めざめ
(加藤楸邨)

初富士や海道長きわが県
(百合山羽公)

初富士や崖の鵯どり谺して
(川端茅舎)

初富士や坂数々の小石川
(野村喜舟)

初富士や漆黒の襞は雪をとめず
(渡辺水巴)

初富士や草庵を出て十歩なる
(高浜虚子)

初富士や樹海の雲に青鷹
(飯田蛇笏)

初富士や投錨す湾風吹かず
(飯田蛇笏)

初富士や母を珠ともたとふれば
(中村汀女)

初富士や双親草の庵にあり
(高浜虚子)

初富士や蜜柑ちりばめ蜜柑山
(石田波郷)

初不二を枯草山の肩に見つ
(水原秋桜子)

初富士を眺めの句座をしつらへん
(高木晴子)

眉の上の初富士に雲なかりけり
(草間時彦)

炉開きの里初富士おもふあしたかな
(椎本才麿)

 

 


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