宝船の墨絵

初 夢

 

【鑑 賞】初夢に見たり返らぬ日のことを

大正前期から昭和中期にかけての俳人・日野草城(ひのそうじょう)の作品。

お正月でありながらも、切なく寂しさが感じられる句。

 

スポンサーリンク

 

 

以下、季語「初夢」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 初夢

(ひらがな) はつゆめ

(ローマ字) hatsuyume

 


季 節


新年

 


【分 類】


人事

 


【意味・説明】


初夢については、いくつかの説があります。

・元旦に目覚める前に見た夢

・元日の夜に見た夢

・2日の夜に見た夢


There are several theories about the first dream.

・the dream had before waking up on New Year’s Day

・the dream had on New Year’s Day night

・the dream had on the night of the 2nd

スポンサーリンク

 


【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

だいそれた初夢をもう見ること無し
(高澤良一)

手応へのなき初夢でありにけり
(能村登四郎)

ぬるかりし温泉に初夢期しがたし
(亀井糸游)

初夢で逢ひしを告げず会ひにけり
(稲畑汀子)

初夢のあさきゆめみし憂ひかな
(山田みづえ)

初夢に安倍晴明召されけり
(岡本綺堂)

初夢に大いなる毬を貰ひけり
(阿部みどり女)

初夢にお他力様の初仕事
(高澤良一)

初夢に落ちし奈落の深かりき
(鷹羽狩行)

初夢にさだかな君のかなしけれ
(大峯あきら)

初夢にさつぱりわやと青畝大人
(後藤綾子)

初夢にドームがありしあとは忘れ
(加倉井秋を)

初夢に故郷を見て涙かな
(小林一茶)

初夢に見し踊子をつつしめり
(森澄雄)

初夢に見しふるさとは明治の世
(瀧春一)

初夢の扇ひろげしところまで
(後藤夜半)

初夢の金粉を塗りまぶしたる
(高浜虚子)

初夢の覚めぬ姿に東山
(鷹羽狩行)

初夢の大河となりて音の無し
(神蔵器)

初夢の滞空時間永きかな
(能村研三)

初夢の唯空白を存したり
(高浜虚子)

初夢のただしらじらと覚めてなし
(大野林火)

初夢の出口のあたり行き戻り
(山田弘子)

初夢のなかに亡父母会しけり
(百合山羽公)

初夢のなかをわが身の遍路行
(飯田龍太)

初夢のマンボウ何と畳大
(高澤良一)

初夢もなき少年にマニラ陥つ
(萩原麦草)

初夢や船長として舵を取り
(池田秀水)

初夢や半(なかば)きれたる唐にしき
(立花北枝)

初夢や額にあつる扇子より
(榎本其角)

 

 


【関連季語・子季語】


 

 


【他の季語を探す】


春の季語

夏の季語

秋の季語

冬の季語

新年の季語

五十音で探す

 

スポンサーリンク