向日葵
【鑑 賞】向日葵がすきで狂ひて死にし画家
明治中期から昭和中期にかけての俳人・高浜虚子(たかはまきょし)の作品。
ゴッホの作品が目に浮かんでくる句。
以下、季語「向日葵」の解説です。
【表 記】
(漢字) 向日葵
(ひらがな) ひまわり
(ローマ字) himawari
【季 節】
夏
【分 類】
植物
【意味・説明】
向日葵は、「向日葵(こうじつき)」「日廻り草(ひまわりそう)「日輪草(にちりんそう)」「日車草(ひぐるまそう)」と呼ばれることもあります。
Sunflowers are also called “kojitsuki”, “himawariso”, “nichirinso”, and “higurumaso”.
【俳句例】
※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。
うしろから向日葵を見る嫉妬かな
(萩原麦草)
裏庭のまづしきが見ゆ向日葵と
(岸風三楼)
キリストに挿せし向日葵のみ新た
(山口青邨)
倒るるも傾くも向日葵ばかりの群
(橋本多佳子)
たま～の日も向日葵の失へる
(中村汀女)
向日葵が挑み続けし昼了る
(相生垣瓜人)
向日葵とあり退陣の鼓を鳴らし
(三橋鷹女)
向日葵に鉱山びとの着る派手浴衣
(飯田蛇笏)
向日葵に声を放ちて泣きにけり
(阿部みどり女)
向日葵に天よりも地の夕焼くる
(山口誓子)
向日葵にひたむきの顔近づき来
(石田波郷)
向日葵に昼餉の煙ながれけり
(西島麦南)
向日葵にビルは裏側もて聳ゆ
(古舘曹人)
向日葵に見られ女工ら下着替ふ
(菖蒲あや)
向日葵の初々しくて若々し
(京極杞陽)
向日葵の金の雨だれ終りしよ
(秋元不死男)
向日葵の大輪切つてきのふなし
(三橋鷹女)
ひまはりのたかだか咲ける憎さかな
(久保田万太郎)
向日葵の立往生となりにけり
(平井照敏)
向日葵の種ぎつしりと晩夏光
(内藤吐天)
向日葵の根まで見せ塀繕へる
(石塚友二)
向日葵の花のすがれに粉虫かな
(西山泊雲)
向日葵のひらきしままに雨期にあり
(中村汀女)
向日葵のまむきそむきや亭午さがり
(鈴鹿野風呂)
向日葵のゆさりともせぬ重たさよ
(北原白秋)
向日葵は灼けて土偶のおほらかさ
(高澤良一)
向日葵へ自転車頸ねじ立てらるる
(田川飛旅子)
向日葵や朝より我を追ふ童女
(堀口星眠)
向日葵や越後へ雨の千曲川
(森澄雄)
向日葵や高々波に向ひ立ち
(鈴木真砂女)
向日葵や腹減れば炊くひとり者
(原石鼎)
向日葵やものゝあはれを寄せつけず
(鈴木真砂女)
向日葵を斬つて捨つるに刃物磨ぐ
(三橋鷹女)
日を追はぬ大向日葵となりにけり
(竹下しづの女)
みるかげもなき向日葵と貨車一つ
(京極杞陽)
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