除夜の鐘

除夜の鐘

 

【鑑 賞】除夜の鐘幾谷こゆる雪の闇

明治中期から昭和中期にかけての俳人・飯田蛇笏(いいだだこつ)の作品。

雪の中で聞く除夜の鐘という情景に美しさが感じられる句。

 

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以下、季語「除夜の鐘」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 除夜の鐘

(ひらがな) じょやのかね

(ローマ字) joyanokane

 


季 節


 


【分 類】


人事

 


【意味・説明】


除夜の鐘は、大晦日の夜の深夜0時をはさむんで寺院の鐘を撞くことです。

除夜の鐘は多くの寺院で108回撞かれます。


Joyanokane is the ringing of temple bells at midnight on New Year’s Eve.

It is rung 108 times at many temples.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

甘きもの頻りにほしく除夜の鐘
(原石鼎)

いま撞きていまの消え音に除夜の鐘
(加倉井秋を)

くれなゐにひびきもつれぬ除夜の鐘
(永田耕衣)

寒くなれば篝にも立ち除夜の鐘
(星野立子)

覚めて聞き聞きて眠りぬ除夜の鐘
(相生垣瓜人)

除夜の鐘浅く撞きたる若夫婦
(高澤良一)

除夜の鐘うちつぎ百を越えんとす
(橋本多佳子)

除夜の鐘音高らかに締りけり
(清原枴童)

除夜の鐘きき堪へぬらし夫寝ねぬ
(及川貞)

除夜の鐘この時見たる星の数
(原石鼎)

除夜の鐘襷かけたる背後より
(竹下しづの女)

除夜の鐘父が厠へ足摺りて
(皆川白陀)

除夜の鐘つきをさめたる僧の息
(西島麦南)

除夜の鐘撞くや焚火へ尼も来て
(高浜年尾)

除夜の鐘妻に小さな耳の穴
(辻田克巳)

除夜の鐘ぬる湯の壁に響きけり
(会津八一)

除夜の鐘焔さかりのいま終る
(井上雪)

除夜の鐘むなしむなしと繰り返す
(富安風生)

除夜の鐘吾身の奈落より聞ゆ
(山口誓子)

退院の妻ときくなり除夜の鐘
(五十嵐播水)

絶えかけし命一つを除夜の鐘
(中勘助)

旅にしていづかたよりぞ除夜の鐘
(福田蓼汀)

念々と次の音を待ち除夜の鐘
(加倉井秋を)

亡妻よ聴け観世音寺の除夜の鐘
(河野静雲)

町と共に衰へし寺や除夜の鐘
(高浜虚子)

水を掃く音一としきり除夜の鐘
(宇佐美魚目)

門扉ひたと閉ざせる寺や除夜の鐘
(高橋淡路女)

行き暮れしものの思ひぞ除夜の鐘
(殿村莵絲子)

わが撞きてわが音として除夜の鐘
(加倉井秋を)

わが宿も寺領のうちや除夜の鐘
(今井つる女)

 

 


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