鮮やかな紅葉

十 月

 

【鑑 賞】十月や十日も過ぎて初時雨

明治時代の俳人・歌人である正岡子規(まさおかしき)の作品。

秋が少しずつ深まってゆく頃の雰囲気に満ちた句。

 

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以下、季語「十月」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 十月

(ひらがな) じゅうがつ

(ローマ字) jugatsu

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


旧暦の場合、十月の異称は神無月です。


In the case of the lunar calendar, another name for October is Kannazuki.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

十月と思ひこみゐて不義理せし
(星野立子)

十月にふるはしぐれと名をかへて
(立花北枝)

十月の雨粉炭の山に浸む
(西東三鬼)

十月の兎を園児抱っこして
(高澤良一)

十月の落葉は青くあたらしく
(阿部みどり女)

十月の木に猫がいる大阪は
(坪内稔典)

十月のきふさだまりぬ旅すがた
(加舎白雄)

十月の声の一つにわが風樹
(佐藤鬼房)

十月の桜咲くなり幼稚園
(正岡子規)

十月の笹の葉青し肴籠
(炭太祇)

十月のしぐれて文も參らせず
(夏目漱石)

十月の男女はみんな甘納豆
(坪内稔典)

十月のてのひらうすく水掬ふ
(岸田稚魚)

十月の二十一日桧の実
(高野素十)

十月の楡の落葉をはやふみて
(山口青邨)

十月の春吹風や海苔の屑
(高井几董)

十月の日影をあびて酒造り
(飯田蛇笏)

十月の日と風が歌碑を親しくす
(柴田白葉女)

十月の日和に掛けし晩稲哉
(正岡子規)

十月の二日も我もなかりけり
(上島鬼貫)

十月の催しものも全て果て
(高澤良一)

十月の闇の火がつく紙風船
(坪内稔典)

十月のやもめになりし螽かな
(正岡子規)

十月や甕割れてゐる草の中
(皆川白陀)

十月や喜寿の朝の日全身に
(阿部みどり女)

十月やこめかみさやに秋刀魚食ふ
(石田波郷)

十月や鶫炙ればこの脂
(野村喜舟)

十月や鼠ふすぶる唐辛子
(森川許六)

十月をゆめかとばかりさくら花
(服部嵐雪)

蜂死して十月の峰天聳る
(山口誓子)

 


【関連季語・子季語】


 

 


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