秋の空

寒 露

 

【鑑 賞】汲み置きの水平らかに寒露の日

昭和前期から平成前期にかけての俳人・角川照子(かどかわてるこ)の作品。

秋の日の静けさが伝わってくる句。

 

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以下、季語「寒露」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 寒露

(ひらがな) かんろ

(ローマ字) kanro

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


寒露とは、一年を24等分したものに季節の名前を付けた二十四節気の一つです。

寒露の日付は毎年 10月8日頃となります。

10/8 ~ 10/22 頃の期間を「寒露」ということもあります。


Kanro is one of the twenty-four solar terms, which divides the year into 24 equal parts and names the seasons.

The date of kanro is around October 8th every year.

The period from 10/ 8 to 10/22 is sometimes called kanro.

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【例 句】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

伊勢の海に鳶あそびをる寒露かな
(宇佐美魚目)

夫が巴里への寒露の機なり足掛くる
(小池文子)

風の出し気配に覚むる寒露かな
(岡田万壽美)

寒露かな宇治茶狭山茶嬉野茶
(池田冨美)

口あけて鴉息吸ふ寒露かな
(井沢正江)

鶏鳴の一時に暗き寒露かな
(岩淵寒山)

暦はや寒露の蘭の花の濃し
(三田青里)

錆色に蓮田広がる寒露かな
(古市枯声)

自然薯の切口白き寒露かな
(池田秀水)

杉を挽く香のただよへる寒露かな
(根岸善雄)

棚の蔓たぐり下げたる寒露の朝
(長谷川かな女)

竹林の空に鳶舞ふ寒露の日
(有泉七種)

茶の木咲きいしぶみ古ぶ寒露かな
(飯田蛇笏)

月濡れの甍重なる寒露かな
(平田君代)

つんつんとせいごののぼる寒露かな
(石田勝彦)

妣と母寒露の門で行き違ふ
(伊藤希眸)

庭石に苔柔らかき寒露かな
(川崎俊子)

膝の痛み訴へて来し寒露かな
(村越化石)

ひと恋うて牛の長鳴く寒露かな
(山田春生)

俎板に鯉の胆とる寒露かな
(滝沢伊代次)

道傍の竹伐られたる寒露かな
(星野麥丘人)

水底を水の流るる寒露かな
(草間時彦)

実むらさき色を深めし寒露かな
(池田秀水)

目に見えぬ塵を掃きたる寒露かな
(手塚美佐)

湯掻きては菜の嵩の減る寒露かな
(能村研三)

 


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