上毛かるた

歌留多

 

【鑑 賞】かるた取り天下分け目に固唾呑む

大正前期から平成初期にかけての俳人・阿波野青畝(あわのせいほ)の作品。

勝負が決まりそうになったときの緊迫感が伝わってくる句。

 

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以下、季語「歌留多・骨牌」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 歌留多 骨牌

(ひらがな) かるた

(ローマ字) karuta

 


季 節


新年

 


【分 類】


人事

 


【意味・説明】


「かるた」は、ポルトガルから伝えられたもので、ポルトガル語の「carta」の音に「加留多」、「賀留多」、「骨牌」などの漢字が当てられました。


“Karuta” was introduced from Portugal, and kanji such as “加留多”, “賀留多”, and “骨牌” were applied to the Portuguese word “carta”.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

厚化粧かくす頬疵歌かるた
(山口青邨)

一枚の歌留多の砂に埋れんと
(波多野爽波)

お手つきに恋の歌留多を繰り返す
(稲畑汀子)

片恋の歌留多に負けてしまひけり
(鈴木真砂女)

歌留多歌老いて肯ふ恋あまた
(殿村菟絲子)

かるた切るうしろ菊の香しんと澄み
(飯田龍太)

カルタ切るふもと雪解の雉うたれ
(橋閒石)

かるたして帰る雨夜や最合傘
(内藤鳴雪)

歌留多ちらばり今さら蔵書とぼしさよ
(中村草田男)

歌留多とる声や門前過ぐるとき
(岸風三楼)

歌留多とる皆美しく負けまじく
(高浜虚子)

カルタの灯乳霧窗になごむ夜を
(飯田蛇笏)

歌留多読む息づき若き兄の妻
(上村占魚)

歌留多読む声のありけり谷戸の月
(松本たかし)

恋歌の老によろしき歌留多かな
(森澄雄)

恋の札撫切りにとる歌留多かな
(能村研三)

こころにもあらでながらへ歌留多読む
(上田五千石)

こぼれたるかるたの歌の見えしかな
(後藤夜半)

子を負ふてかるた貼り居る燈籠哉
(正岡子規)

情緒にて歌留多を取れと云ひをれり
(相生垣瓜人)

住吉に嬬ごめなりしかるたかな
(阿波野青畝)

そのはしに婢もとれる歌留多かな
(五十嵐播水)

凧を飾りて子等籠りとるかるたかな
(杉田久女)

たはやすく恋歌揃へ歌留多とり
(辻桃子)

たらちめの手ずれの歌留多読みにけり
(阿波野青畝)

月の暈かかる歌留多の夜に入りぬ
(山田弘子)

掌が飛んで来るなり歌留多取
(高澤良一)

ならべゆき心とめゆく歌留多かな
(阿波野青畝)

二日雪となりし燈下にカルタ並ぶ
(大野林火)

佳きひとの声音まぢかや歌かるた
(桂信子)

 

 


【関連季語・子季語】


骨牌  歌留多会  歌がるた

 


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