風に揺れる草花

風光る

 

【鑑 賞】 風光る喬樹のそよぎ一枝づつ

明治中期から昭和中期にかけての俳人・飯田蛇笏(いいだだこつ)の作品。

高木の枝にきらめくような風が吹いている光景が目に浮かんでくる句。

 

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以下、季語「風光る」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 風光る

(ひらがな) かぜひかる

(ローマ字) kazehikaru

 


季 節


 


【分 類】


天文

 


【意味・説明】


「風光る」は、春の日射しの中を吹く風が光っているような感じを表現する季語です。


“Kazehikaru” is a season word expressing the feeling that the wind blowing in the spring sunshine is shining.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

朝凪の浪立つて風光る頃
(河東碧梧桐)

海原や夜に入りてから風光る
(正岡子規)

海鳥と見しは刳舟よ風光る
(上村占魚)

風光り石の流るる音すなり
(落合水尾)

風光り折目正しき工衣過ぐ
(林翔)

風光りたゞねむたさの峯の雪
(相馬遷子)

風光り泥のひかりの大きな手
(成田千空)

風光る歩いて考えねばならぬ
(原裕)

風光る入江のぽん~蒸気かな
(内田百間)

風光る海の二階のかもめどり
(飯田蛇笏)

風光る海の広さを玻璃に置く
(稲畑汀子)

風光る大人のための九十九里
(櫂未知子)

風光る海峡のわが若き鳶
(佐藤鬼房)

風光る観音詣繰り返し
(高浜年尾)

風光るけふ命日の句碑の艶
(下村ひろし)

風光る心の中にもある遠景
(楠本憲吉)

風光るサンドヰツチの耳硬く
(富安風生)

風光る椎樫の空恍惚と
(石塚友二)

風光る誰彼となく水辺かな
(中村汀女)

風光る乳房未だし少女どち
(楠本憲吉)

風光るとき海遥か山かすか
(稲畑汀子)

木々の芽に先立ちて風光りけり
(相馬遷子)

ころころと老婆生きたり光る風
(相馬遷子)

史蹟いまも崖の端にして風光る
(神尾久美子)

地玉子の殻のたしかさ風光る
(鈴木真砂女)

装束をつけて端居や風光る
(高浜虚子)

覇王樹の影我が影や風光る
(飯田蛇笏)

文金の合せ鏡や風ひかる
(正岡子規)

文鳥の籠白金に風光る
(寺田寅彦)

帽脱ぎし君があたりや風光る
(佐藤春夫)

み神楽の鈴や御幣や風光る
(中勘助)

名月や雨にはり合ふ風光
(内藤丈草)

槍倒しにかかる小舟や風光る
(上村占魚)

わが建てしわが墓碑銘に風光る
(亀井糸游)

若人の頬老人の頬風光る
(山口青邨)

 


【関連季語・子季語】


光る風  光風

 


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