開き始めた桃の花と青空

啓 蟄

 

【鑑 賞】啓蟄の夜気を感ずる小提灯

明治中期から昭和中期にかけての俳人・飯田蛇笏(いいだだこつ)の作品。

まだ寒さが残る啓蟄の頃の雰囲気が込められた句。

 

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以下、季語「啓蟄」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 啓蟄

(ひらがな) けいちつ

(ローマ字) keichitsu

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


啓蟄とは、一年を24等分したものに季節の名前を付けた二十四節気の一つです。

啓蟄の日付は毎年 3月6日頃となります。

3/6 ~ 3/20頃の期間を「啓蟄」ということもあります。


Keichitsu is one of the twenty-four solar terms, which divides the year into 24 equal parts and names the seasons.

The date of keichitsu is around March 6th every year.

The period from 3/ 6 to 3/20 is sometimes called “keichitsu”.

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【例 句】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

啓蟄にガラス袋の金魚来る
(百合山羽公)

啓蟄にまず小手出しぬもぐらもち
(阿波野青畝)

啓蟄の虻はや花粉まみれかな
(星野立子)

啓蟄の蟻と廚に午笛かな
(中村汀女)

啓蟄のいとし兒ひとりよちよちと
(飯田蛇笏)

啓蟄の甕には金魚明りゆれ
(皆吉爽雨)

啓蟄の寒さこつこつ卵割る
(百合山羽公)

啓蟄の四肢わすれきし蛙の子
(松村蒼石)

啓蟄の芝生は汚れたる感じ
(後藤夜半)

啓蟄のすぐ失へる行方かな
(中村汀女)

啓蟄の炭焼が妻みごもれり
(西島麦南)

啓蟄の大地月下となりしかな
(大野林火)

啓蟄の高々鳥の鳴き過ぎし
(阿部みどり女)

啓蟄の拙なき歩みはじめけり
(高浜年尾)

啓蟄の土かき消して雨となる
(波多野爽波)

啓蟄の土踏み何かつとめたし
(木村蕪城)

啓蟄の土を覆へる芥かな
(桂信子)

啓蟄ののろのろ虫も四散せり
(百合山羽公)

啓蟄の一人が転けたではないか
(永田耕衣)

啓蟄の日を浴び蟇は眼をつむる
(山口青邨)

啓蟄の仏像すこしづついざる
(松村蒼石)

啓蟄の虫のおどろく縁の上
(臼田亞浪)

啓蟄のものみな光さきだてて
(平井照敏)

啓蟄のもろもろの中に老われも
(富安風生)

啓蟄のわが門や誰が靴のあと
(高橋淡路女)

啓蟄や如露でぬらす庭の石
(及川貞)

啓蟄やたまたまひかる屋根の端
(加藤楸邨)

啓蟄や日はふりそそぐ矢の如く
(高浜虚子)

地虫出て金輪際をわすれけり
(阿波野青畝)

受話器漆黒 今日啓蟄を感じおり
(楠本憲吉)

とまどひて啓蟄の蟻顎を這ふ
(加藤秋邨)

 


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