橙黄色の金木犀の浜

金木犀

 

【鑑 賞】金木犀撮るに青空バックかな

昭和前期から平成後期にかけての俳人・松崎鉄之介(まつざきてつのすけ)の作品。

空の青と金木犀の橙色の鮮やかさが目に浮かんでくる句。

 

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以下、季語「金木犀」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 金木犀

(ひらがな) きんもくせい

(ローマ字) kimmokusei

 


季 節


 


【分 類】


植物

 


【意味・説明】


金木犀は木犀の変種で、橙色の花を咲かせて甘い香りを放ちます。

鑑賞用に植えられるだけでなく、花は食用とされます


Kimmokusei(Osmanthus fragrans Lour. var. aurantiacus Makino) is a variant of gimmokusei(Osmanthus fragrans Lour. var. fragrans), which has orange flowers and emits a sweet scent.

It is not only planted for ornamental purposes, but the flowers are edible.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

赤い羽根三日金木犀十日
(百合山羽公)

一歩又一歩金木犀の香に
(稲畑汀子)

犬吠えてから明け鴉金木犀
(伊丹三樹彦)

祈りの身もだえ金木犀に頭を突入れ
(中村草田男)

末枯れの地に点滴の金木犀
(楠本憲吉)

金木犀神も媚薬をつくりけり
(成瀬櫻桃子)

金木犀すでに家運は尽きてゐて
(鷹羽狩行)

金木犀そこここ入日道の果
(大野林火)

金木犀乳房の谷間より匂ひ
(鷹羽狩行)

金木犀妻を置き来て友訪ひ居り
(中村草田男)

金木犀道元留守の床冷ゆる
(加藤秋邨)

金木犀庭にあまたの土竜塚
(芦澤一醒)

金木犀の香の中の一昇天者
(平井照敏)

金木犀胸を匂ひのあふれ出づ
(神蔵器)

金木犀眼玉に散りぬ痛むかな
(金子兜太)

雲切れて金木犀の金こぼれ
(林翔)

好日や金木犀の花いきれ
(鷹羽狩行)

辞書が重たい図書館の金木犀
(鷹羽狩行)

緻密なる金木犀の花盛り
(相生垣瓜人)

沈黙は金なり金木犀の金
(有馬朗人)

水の中にも神住む神話金木犀
(中村草田男)

妻の頭上金木犀は固まる唖
(金子兜太)

特殊たるに堪へぬく夫妻金木犀
(中村草田男)

とろとろと金木犀の香は麻酔
(武藤嘉子)

匂はねば庭木に紛れ金木犀
(稲畑汀子)

呑み余る母乳に咽び金木犀
(中村草田男)

バイク置く金木犀の香の中に
(浦川聡子)

婆子来つて金木犀を供華に売る
(山口誓子)

葉漏れ日が金木犀を目覚めさす
(川口襄)

不幸者は満身追懐の金木犀
(中村草田男)

星空へ舞い上りたる金木犀
(伊丹三樹彦)

見上げたる金木犀の大樹かな
(山口青邨)

水の中にも神住む神話金木犀
(中村草田男)

ゆるぎなく金木犀の香のほとり
(中村汀女)

類形に罰を課す業金木犀
(伊丹三樹彦)

 


【関連季語・子季語】


木犀  銀木犀

 


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