コート類

コート

 

【鑑 賞】 色褪せしコートなれども好み着る

明治中期から昭和前期にかけての俳人・杉田久女(すぎたひさじょ)の俳句作品。

着慣れたコートに対する愛着が強く感じられる句。

 

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以下、季語「コート」の解説です。

 


【表 記】


(カタカナ) コート

(ひらがな) こーと

(ローマ字) koto

 


季 節


 


【分 類】


人事

 


【意味・説明】


コートの長さによる分類としては、次のようなものがあります。

  • ショートコート(short coat)
  • ハーフコート(half coat)
  • ロングコート(long coat)
  • ミディコート(midi coat)
  • マキシコート(maxi coat)

また、以下のように分類されることもあります。

  • スプリングコート(spring coat)
  • オーバーコート(overcoat)
  • スリーシーズンコート(three season coat)
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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

アイロンをあてて着なせり古コート
(杉田久女)

吾妻コート藁屋の霜はあはれまし
(尾崎紅葉)

雨がまぶす婚近き身の黒コート
(岡本眸)

皮コート天守の闇を曳き出づる
(鍵和田秞子)

気づかひや借りしコートに夕立ばね
(阿部みどり女)

句會にも着つゝなれにし古コート
(杉田久女)

黒コート身に断ちがたき一事あり
(岡本眸)

コート着し人のそがひや雪の道
(原石鼎)

コート着て財布の位置が変りけり
(能村研三)

コート着てなほ言ひ足して出かけけり
(中村苑子)

コート着て母のさからふ風も見し
(中村汀女)

コート著るうかつに羽織忘れたり
(高浜年尾)

コート黒く足袋真白に春浅き
(阿部みどり女)

コート脱ぎ現れいづる晴着かな
(高浜虚子)

コートの石灰角は濃く溜り曼珠沙華
(田川飛旅子)

コート身に巻きつけなほし山深む
(岡本眸)

傘雨忌や利休ねずみの雨コート
(鈴木真砂女)

十字軍より元気にて黒コート
(櫂未知子)

祝福を受けし手通す春コート
(稲畑汀子)

洗礼へ子が雪中を緋のコート
(松崎鉄之介)

そのまゝといはれ会釈しコートぬぐ
(星野立子)

抱くやうに毛皮コートを脱がせやる
(辻桃子)

梅雨の人コートをぬげば服白き
(星野立子)

鉄橋の雨蕭条と春コート
(柴田白葉女)

道服と吾妻コートの梅見哉
(夏目漱石)

波音を離れコートの襟を立て
(高澤良一)

春コート着てみづうみを渡りけり
(皆吉司)

番組を咥へ春雨コート脱ぐ
(高浜年尾)

冷えきったコートよ中に弟が
(池田澄子)

彼岸過人のコートのレモンいろ
(山口青邨)

ボタンとれしコート烏に啼かれづめ
(岡本眸)

立冬かと呟きコート羽織りけり
(林翔)

流木に赤きコートの掛けてゐる
(中野貴美子)

老詩人コートの下の伊達者ぶり
(中村苑子)

わがコート赤し枯野に点なすや
(山田弘子)

 


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