夏の夜の月と雲

短 夜

 

【鑑 賞】短夜のゆめな忘れそハムレット

明治後期から昭和中期にかけての歌人・会津八一(あいづやいち)の作品。

シェイクスピアの戯曲のタイトルが二つ詠み込まれている句。
(「夏の夜の夢」「ハムレット」)

 

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以下、季語「短夜」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 短夜

(ひらがな) みじかよ

(ローマ字) mijikayo

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


短夜とは、夏の夜が短いことを強調して表現する言葉です。


Mijikayo is a word that emphasizes how short summer nights are.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

月に人立つ短夜の夢ならず
(下村ひろし)

短夜に竹の風癖直りけり
(小林一茶)

短夜の明けて論語を読む子かな
(正岡子規)

短夜のあけゆく水の匂ひかな
(久保田万太郎)

短夜のうらみもどすや五月雨
(加賀千代女)

短夜の鐘のねいろに目覚めけり
(瀧井孝作)

短夜の狐を化かす狐あり
(内田百間)

短夜の櫛一枚や旅衣
(中村汀女)

短夜の須磨に明けけり残る月
(寺田寅彦)

短夜の乳ぜり泣く児を須可捨焉乎
(竹下しづの女)

短夜のつぎつぎ暁ける嶺の数
(飯田龍太)

短夜の壺の白百合咲き競ひ
(三橋鷹女)

短夜の寺の浴みの二人づゝ
(高野素十)

短夜の土堤の穂草は吹かれをり
(右城暮石)

短夜の芭蕉は伸びて仕まひけり
(夏目漱石)

短夜の星が飛ぶなり顔の上
(高浜虚子)

短夜のほそめほそめし灯のもとに
(中村汀女)

短夜のまだ濡れてゐし竹箒
(柿本多映)

短夜の三たびもめざめ暁遠し
(原石鼎)

短夜のみ枕北にわが父たり
(岸風三楼)

短夜の夢なら覚めな樽碪
(尾崎紅葉)

短夜の夢も見果てず逝かれけり
(高橋淡路女)

短夜の余燼を掻くや骨拾ひ
(吉武月二郎)

短夜のわけて短かき逢瀬かな
(波多野爽波)

短夜の我を見とる人うたたねす
(正岡子規)

短夜のをのこをみなや蜑が宿
(後藤夜半)

短夜やおもひがけなき夢の告
(与謝蕪村)

短夜や河原芝居のぬり皃に
(小林一茶)

短夜や伽羅の匂ひの胸ふくれ
(高井几董)

短夜や笹の葉先にとめし露
(高橋淡路女)

短夜や茄子に戀ひ寄る芋の蔓
(西山泊雲)

短夜や二つの命妹背なる
(野村喜舟)

短夜やほどけばすぐに絵巻物
(阿波野青畝)

短夜や夢も現も同じこと
(高浜虚子)

短夜を短く寝足り健康に
(稲畑汀子)

 


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