日照りの田

水無月

 

【鑑 賞】水無月と別るる線香花火かな

大正時代から昭和末期にかけての俳人・中村汀女(なかむらていじょ)の作品。

季節が本格的な夏へと移り変わってゆく雰囲気に満ちた句。

 

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以下、季語「水無月」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 水無月

(ひらがな) みなづき

(ローマ字) minazuki

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


水無月は、旧暦の六月の異称です。


Minazuki is another name for June in the lunar calendar.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

女等肥え水無月ひそと来て去りぬ
(三橋鷹女)

俳諧師青水無月の星愛す
(岸風三楼)

はじめての道も青水無月の奈良
(皆吉爽雨)

水無月に星も老ゆるや墓の上
(秋元不死男)

水無月の汗を離るる仏かな
(上島鬼貫)

水無月の当て無き櫂の雫かな
(池田澄子)

水無月の臼をほさうぞつき臼を
(上島鬼貫)

水無月の枯葉相つぐ梧桐かな
(原石鼎)

水無月の雲の耳より月うまる
(加藤楸邨)

水無月の高野豆腐を僧浸す
(萩原麦草)

水無月の木蔭に寄れば落葉かな
(渡辺水巴)

水無月の故国に入れば翠かな
(日野草城)

水無月の山菜親し斎の膳
(下村ひろし)

水無月の竹を叩くや俄雨
(松瀬青々)

水無月のたとへば北に病める葦
(佐藤鬼房)

水無月の萩の風呼ぶ日なりけり
(鈴木真砂女)

水無月の橋一僧を通しけり
(桂信子)

水無月のはや巡り来し一周忌
(稲畑汀子)

水無月の埃つもれる芭蕉かな
(鈴木花蓑)

水無月の山吹の花にたとふべし
(正岡子規)

水無月も鼻つきあはす数寄屋かな
(野沢凡兆)

水無月や朝から白きものをきる
(井上井月)

水無月やあしたゆふべに足袋替へて
(鈴木真砂女)

水無月や風に吹れに古里へ
(上島鬼貫)

水無月や草植ゑふやす庭造り
(長谷川かな女)

水無月や鯛はあれども塩鯨
(松尾芭蕉)

水無月や仏に咲きし秋海棠
(渡辺水巴)

水無月や與助は居ぬか泥鰌売
(幸田露伴)

水無月を昨日に咲ける桔梗かな
(尾崎迷堂)

水無月を水色に着て老装ふ
(長谷川かな女)

 


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