七 種
【鑑 賞】七日客七種粥の残りなど
明治中期から昭和中期にかけての俳人・高浜虚子(たかはまきょし)の作品。
何ともいえない面色味が感じられる句。
以下、季語「七種」の解説です。
【表 記】
(漢字) 七種
(ひらがな) ななくさ
(ローマ字) nanakusa
【季 節】
新年
【分 類】
植物
【意味・説明】
次の七種を「春の七草」といいます。
- 芹(せり)
- 薺(なずな)
- 御行(ごぎょう)
- 繁縷(はこべ)
- 仏の座(ほとけのざ)
- 菘(すずな)
- 蘿蔔(すずしろ)
The following seven kinds are called “haru no nanakusa”.
- seri
- nazuna
- gogyo
- hakobe
- hotokenoza
- suzuna
- suzunashiro
【俳句例】
※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。
浅みどり春七草の小籠かな
(高橋淡路女)
あをあをと春七草の売れのこり
(高野素十)
客二人七種はやす戸に来る
(高浜虚子)
提げてゆく七草籠やお年玉
(高橋淡路女)
七種に更に嫁菜を加へけり
(高浜虚子)
七草に鼠が恋もわかれけり
(高井几董)
七草の雨あたゝかや伊豆を発つ
(久保田万太郎)
七草の籠をかひなに臈たけし
(山口青邨)
七種のきのふとなりし芹なづな
(高野素十)
七種のそろはずとてもいわゐ哉
(加舎白雄)
七種の薺は鉢を溢れけり
(長谷川かな女)
七草のはこべら莟もちてかなし
(山口青邨)
七種のはじめの芹ぞめでたけれ
(高野素十)
七種のひびきからある水の音
(加賀千代女)
七種の富士はすずしろ色をして
(高澤良一)
七草は七ツ異なる風情かな
(正岡子規)
七草やけふ一色に仏の座
(各務支考)
七草やなくてぞ数のなつかしき
(松岡青蘿)
七種やほの~しらむ厨窓
(高橋淡路女)
七草や雪を払へばそれでなし
(加賀千代女)
七種の夜を根深煎る隣あり
(横井也有)
七種や明けぬに婿の枕もと
(榎本其角)
七草やあまれどたらぬものも有り
(加賀千代女)
七種や唱哥ふくめる口のうち
(立花北枝)
七種や薺すくなの粥すする
(臼田亞浪)
七種や七日居りし鶴の跡
(松岡青蘿)
七種や粧ひしかけて切刻み
(志太野坡)
七種を祝ひしみじみ日本かな
(稲畑汀子)
七種を祝へば散つてゆく家族
(稲畑汀子)
七草を三篇うつた手くびかな
(服部嵐雪)
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