雨に濡れた青梅

入 梅

 

【鑑 賞】入梅や墓さむげなる竹のつゆ

明治中期から昭和中期にかけての俳人・飯田蛇笏(いいだだこつ)の作品。

入梅の頃の寒さが伝わってくる句。

 

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以下、季語「入梅」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 入梅

(ひらがな) にゅうばい

(ローマ字) nyubai

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


「入梅」は雑節の一つで、六月十日頃に当たります。


“Nyubai” is one of the miscellaneous festivals and falls around June 10th.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

入梅寒し活るも~白い花
(巒寥松)

入梅に来て鳴は不断の小鳥かな
(松窓乙二)

入梅の明遠かみなりを暦かな
(加舎白雄)

入梅の風物に至らぬ隈もなし
(三宅嘯山)

入梅の中人静かなり法花堂
(正岡子規)

入梅のひま鼻とをさるゝ犢かな
(加舎白雄)

入梅晴の朝より高し雲の峰
(正岡子規)

入梅晴やあかるい雲にこのあつさ
(正岡子規)

入梅晴や風にもどりし夏柳
(正岡子規)

入梅ばれや先見る山の大文字
(桜井梅室)

入梅晴や田ごとにくばる薄日陽
(桜井梅室)

入梅が先か湧きくる蚊が先か
(高澤良一)

入梅と云ふなり模糊としてをれり
(相生垣瓜人)

入梅と云ふ悪例が世にはあり
(相生垣瓜人)

入梅と云ふ日の雨に先づ厭きぬ
(相生垣瓜人)

入梅の強火に鰍焼かれけり
(宮武寒々)

入梅の中人静かなり法花堂
(正岡子規)

入梅の握りてぬくき銭を受く
(宮武寒々)

入梅も暦のそれに従はむ
(相生垣瓜人)

入梅も人智を以て宣せらる
(相生垣瓜人)

入梅や小沼古沼手長蝦
(野村喜舟)

入梅や蟹かけ歩く大座敷
(小林一茶)

入梅や刈らずにありて葉山吹
(楠目橙黄子)

入梅や手拭かぶる新内儀
(正岡子規)

入梅や富山の薬壁に掛け
(野村喜舟)

入梅や発禁句集未だ成らず
(三橋敏雄)

入梅や紫かけし青紫陽花
(鈴木花蓑)

入梅を市販の暦明記せり
(相生垣瓜人)

入梅を告ぐオムレツの黄なる朝
(山田弘子)

入梅を転機と木々もなす如し
(相生垣瓜人)

 


【関連季語・子季語】


梅雨入  梅雨に入る

 


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