神社の鯉幟

立 夏

 

【鑑 賞】藤垂れて立夏の急雨到りけり

明治末期から昭和中期にかけての俳人・臼田亞浪(うすだあろう)の作品。

藤の花と急な雨の組合せが、立夏の頃の雰囲気を強く感じさせてくれる句。

 

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以下、季語「立夏」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 立夏

(ひらがな) りっか

(ローマ字) rikka

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


立夏とは、一年を24等分したものに季節の名前を付けた二十四節気の一つです。

立夏の日付は毎年 5月5日・6日頃となります。

5/6 ~ 5/20頃の期間を「立夏」ということもあります。


Rikka is one of the twenty-four solar terms, which divides the year into 24 equal parts and names the seasons.

The date of rikka is around May 5th(~6th) every year.

The period from 5/ 6 to 5/20 is sometimes called rikka.

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【例 句】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

朝月のうすれ~し立夏かな
(久保田万太郎)

雨あしの立夏をあらき拓地かな
(飯田蛇笏)

雨の日の衣重ねたる立夏かな
(石川桂郎)

いま汲みて提げゆく水の立夏かな
(村越化石)

魚の影すばやく渓の立夏かな
(鷲谷七菜子)

海の色まだ定まらぬ立夏かな
(中村苑子)

大空と大地一つにして立夏
(粟津松彩子)

沖にすぐ雲湧く立夏のすべり台
(柴田白葉女)

樹々の香のなかへ入りゆく立夏かな
(桂信子)

紀の国の蟇に蹴られて立夏かな
(松山足羽)

経木帽著けて立夏に加はれり
(相生垣瓜人)

熊谷草立夏の朝日届かざる
(山田みづえ)

けふ立夏とて雲の彩いまだしや
(高澤良一)

さゐさゐと鱗吹かれん風立夏
(永末恵子)

塩まいて人追ひかへす立夏かな
(岡田史乃)

時化了る立夏のしづく槻を滴る
(飯田蛇笏)

白々と立夏の月の在りどころ
(高木晴子)

胎内の水音聴いてゐる立夏
(中村苑子)

瀧おもて雲おし移る立夏かな
(飯田蛇笏)

旅名残り雲のしかかる立夏かな
(飯田蛇笏)

燈台に濤のざらつく立夏かな
(原裕)

遠のけば沈む橋立夏の海
(西山泊雲)

ながめたつ立夏の雲の小神鳴
(飯田蛇笏)

二年竹もつとも太き立夏かな
(鈴木真砂女)

ばち囃子立夏の瀬音はなやいで
(佐藤鬼房)

日ざしなき立夏の暦壁に剥ぐ
(石川桂郎)

訃音告ぐ子の名は穂高立夏経て
(高澤良一)

ふるさとの山を盾とす立夏かな
(原裕)

文学館出でて立夏の川風に
(大久保白村)

塀塗つて立夏一日よごれけり
(荒井正隆)

吉原の水打つて夜となる立夏
(長谷川かな女)

夜に入つて降り出す雨も立夏かな
(村山故郷)

立夏とは木々に山鳩山鴉
(神尾久美子)

立夏の戸雨に濡れたる外へ開く
(高木晴子)

立夏はや露ののぼれる水辺草
(大野林火)

 


【関連季語・子季語】


夏立つ  夏来る  夏に入る

 


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