梅の枝にとまった鶯

 立 春

 

【鑑 賞】立春のその後の寒さ言ひ合へる

昭和時代の俳人・石塚友二(いしづかともじ)の作品。

春の字が入っていても寒さが続く「立春」の頃の雰囲気がよく伝わってくる句。

 

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以下、季語「立春」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 立春

(ひらがな) りっしゅん

(ローマ字) risshun

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


立春とは、一年を24等分したものに季節の名前を付けた二十四節気の一つです。

立春の日付は毎年 2月4日頃となります。

2/4 ~ 2/18頃の期間を「立春」ということもあります。


Risshun is one of the twenty-four solar terms, which divides the year into 24 equal parts and names the seasons.

The date of risshun is around February 4th every year.

The period from 2/ 4 to 2/18 is sometimes called “risshun”.

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【例 句】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

あはれなり立春の日にみまかりし
(高野素十)

雨の中に立春大吉の光あり
(高浜虚子)

狐貌して来し立春の青菜売
(長谷川かな女)

吃立の槇真顔なる立春以後
(河野多希女)

瘤多き木に立春の日影さす
(百合山羽公)

さゞ波は立春の譜をひろげたり
(渡辺水巴)

雪嶺とわれ立春の日を頒つ
(相馬遷子)

壺据ゑて窓に立春の竹のいろ
(水原秋桜子)

天地広し立春なにに礙べき
(井原西鶴)

みほとけの奈良に目覚めて立春や
(大野林火)

立春といふに雪降り孫生る
(皆川白陀)

立春の暁の時計鳴りにけり
(前田普羅)

立春の朝霧しづる枯枝かな
(臼田亞浪)

立春の窖出づる窩主買
(西島麦南)

立春の雨やむ群ら嶺雲を野に
(飯田蛇笏)

立春の一語を以て押し切られ
(高澤良一)

立春のいつか過ぎをる机かな
(高澤良一)

立春の海よりの風海見えず
(桂信子)

立春の大蛤をもらひけり
(原石鼎)

立春のかゞやき丘にあまねかり
(高浜年尾)

立春の輝く潮に船行けり
(杉田久女)

立春の上御一人に脱帽す
(渡辺水巴)

立春の鴉や曲る羽ひろげ
(百合山羽公)

立春の雉子を描きて画布立てる
(水原秋桜子)

立春の慈姑の味を称へけり
(野村喜舟)

立春の米屋の米の山と川
(辻田克巳)

立春の白身の魚うす塩に
(平井照敏)

立春の卵に尖る箸ならぶ
(百合山羽公)

立春のどこも動かず仔鹿立つ
(秋元不死男)

立春の鳶暫しあり殿づくり
(阿波野青畝)

立春の日かげあまねき障子かな
(久保田万太郎)

立春の日ざしありつゝうすれつゝ
(稲畑汀子)

立春の日を一杯に老かなし
(阿部みどり女)

立春の日をわきまふや牡丹の芽
(山口青邨)

立春の山羊はこちらを向いて啼く
(岸風三楼)

 


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