初冬の木の枝

 立 冬

 

【鑑 賞】立冬の山の樹騒ぐ音眼にす

明治末期から昭和中期にかけての俳人・臼田亞浪(うすだあろう)の作品。

「音眼にす」という表現から斬新な印象を受ける句。

 

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以下、季語「立冬」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 立冬

(ひらがな) りっとう

(ローマ字) ritto

 


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


立冬とは、一年を24等分したものに季節の名前を付けた二十四節気の一つです。

立冬の日付は毎年 11月7日頃となります。

11/7 ~ 11/21 頃の期間を「立冬」ということもあります。


Ritto is one of the twenty-four solar terms, which divides the year into 24 equal parts and names the seasons.

The date of ritto is around November 7th every year.

The period from 11/ 7 to 11/21 is sometimes called ritto.

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【例 句】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

音たてて立冬の道掃かれけり
(岸田稚魚)

駈け足で来る立冬や蝦夷胎貝
(佐藤鬼房)

風ひびき立冬の不二痩せて立つ
(水原秋桜子)

枯れ切つてけふ立冬の茶臼岳
(森澄雄)

ここにして蹲くまる碑の冬に入る
(松村蒼石)

婚約をして立冬の鍋料理
(長谷川かな女)

白くこまかく立冬の日の磧石
(能村登四郎)

死を悼む立冬前の雨はげし
(阿部みどり女)

叩き染して立冬の竃の火
(古舘曹人)

単線駅に立冬旬日の陽の山山
(古沢太穂)

鳩笛をふく立冬のものに倦み
(橋閒石)

柊の華立冬の華として
(後藤夜半)

門灯を消す立冬の暁の色
(村山砂田男)

立冬かと呟きコート羽織りけり
(林翔)

立冬と聞けば内心ああさうかと
(高澤良一)

立冬に要らぬ雨など降り出して
(高澤良一)

立冬のあとの青空松葉降る
(阿部みどり女)

立冬の雨筋道の端にあり
(岸田稚魚)

立冬の雨を力に風吹けり
(長谷川双魚)

立冬の大葉一枚宙よりして
(長谷川かな女)

立冬の川を彩る胡桃の黄
(阿部みどり女)

立冬の声や頭のどこか澄み
(細見綾子)

立冬の空やためらひ傷のある
(柿本多映)

立冬の塵穴菊を捨てそめし
(皆吉爽雨)

立冬の鳶の高笛金華山
(阿波野青畝)

立冬の日輪遠く石乾く
(橋閒石)

立冬の日影あまねき五百重山
(飯田蛇笏)

立冬の火焚けば映る民家かな
(長谷川かな女)

立冬の水にしばらく山うつる
(桂信子)

立冬の横に引きぬく串團子
(古舘曹人)

立冬や足許にきて動く波
(桂信子)

立冬や紺の上衣に紺の闇
(飯田龍太)

立冬やさざなみたちて藪の色
(岸田稚魚)

立冬や地ひびきのして夜の雷
(細見綾子)

立冬や手紙を書けば手紙来る
(山口青邨)

 


【関連季語・子季語】


冬立つ  冬来る  冬に入る

 


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