千歳飴を持った七五三の女の子

七五三

 

【鑑 賞】 七五三双親三拝九拝す

大正末から平成初期にかけての俳人・平畑静塔(ひらはたせいとう)の作品。

子を思う親の気持ちが伝わってくる句。

 

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以下、季語「七五三」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 七五三

(ひらがな) しちごさん

(ローマ字) shichigosan

 


季 節


 


【分 類】


人事

 


【意味・説明】


現代では、七五三は一つの行事のように扱われていますが、本来は次のように別々の行事でした。

3歳:髪置の儀(男の子、女の子)

5歳:袴着の儀(男の子)

7歳:帯解の儀(女の子)

やがて、これら一緒になって「七五三」と呼ばれるようになりました。


In modern times, shichigosan is treated like an event, but originally it was a separate event as follows.

3 years old:kamiokinogi(boy,girl)

5 years old:hakamaginogi(boy)

7 years old:obitokinogi(girl)

Eventually, these became together and called “shichigosan”.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

歩き幅合はぬ石段七五三
(右城暮石)

行きずりのよそのよき子の七五三
(富安風生)

石地蔵の袖の長さよ七五三
(中村草田男)

大杉に金の注連縄七五三
(平畑静塔)

愚かなる「無」の扁額や七五三
(中村草田男)

熊笹に雪のこぼるる七五三
(岸田稚魚)

猿飴の湯島の宮の七五三
(水原秋櫻子)

参道の長きはたのし七五三
(山口青邨)

七五三あめつちの地を歩ましむ
(平畑静塔)

七五三幼なを神は抱きたしや
(平畑静塔)

七五三形揃へて銀杏散る
(百合山羽公)

七五三四簷の鳩ら避けゐたり
(阿波野青畝)

七五三妊婦もつとも美しき
(佐藤鬼房)

七五三の母子に名古屋城晴れて
(村山故郷)

七五三日向日蔭に鳩をまじへ
(永井龍男)

七五三詣り合はして紋同じ
(高浜虚子)

七五三詣欅の葉を降らす
(臼田亜浪)

祖父同士邂逅七五三詣で
(皆吉爽雨)

村嬢とて又よかりけり七五三
(能村登四郎)

畳店青き香に満ち七五三
(中村草田男)

千歳飴下げしを描けクレパスに
(永井龍男)

どんぐりの袴大小七五三
(百合山羽公)

ネクタイは鳩の空色七五三
(後藤夜半)

榛名山錦繍寂びぬ七五三
(水原秋桜子)

富士に雪二三条ふえ七五三
(能村登四郎)

ぽっくりのしゃんしゃん歩き七五三
(高澤良一)

まだ栄ゆ老舗猿飴七五三
(水原秋桜子)

皆拝め二見の七五三を年の暮
(松尾芭蕉)

舞ふ巫女も香椎育ちや七五三
(阿波野青畝)

むさし野は見あぐる槻や七五三
(水原秋櫻子)

めをといてふ注連をかけたり七五三
(山口青邨)

 


【関連季語・子季語】


しめ祝

髪置  袴着  帯解

 


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