茶碗に注がれた新茶

 新 茶

 

【鑑 賞】方丈に今とどきたる新茶かな

明治中期から昭和中期にかけての俳人・高浜虚子(たかはまきょし)の作品。

新茶が手に入った嬉しさが感じられる句。

 

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以下、季語「新茶」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 新茶

(ひらがな) しんちゃ

(ローマ字) shincha

 


季 節


 


【分 類】


人事

 


【意味・説明】


新茶とは、その年の新芽を摘んでつくった茶のことをいいます。


Shincha refers to tea made by plucking the new shoots of the year.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

明日は立つ里の新茶の香になごむ
(上村占魚)

石山に夜の水くむ新茶哉
(松瀬青々)

一滴の名残きびしき新茶かな
(阿波野青畝)

宇治に似て山なつかしき新茶かな
(各務支考)

おのづから雲を見てゐる新茶かな
(森澄雄)

かゝる時新茶淹るべし雨に灯し
(及川貞)

さら~と溢るゝ新茶壺の肩
(百合山羽公)

サラサラと和尚がこぼす新茶かな
(前田普羅)

師が賞づる新茶は狭山賜ひけり
(石田波郷)

新茶淹れ父はおはしきその遠さ
(加藤楸邨)

新茶いれひとのよろこびごと妻と
(山口青邨)

新茶来て小さき壺にややあふる
(水原秋桜子)

新茶して樟の花明にすまひけり
(石原舟月)

新茶して五箇国の王に居る身かな
(村上鬼城)

新茶壺父祖なつかしき一日なる
(河野南畦)

新茶煮る曉起きや仏生会
(炭大祇)

新茶の香真昼の眠気転じたり
(小林一茶)

玉巻きし芭蕉ほどけし新茶かな
(川端茅舎)

たら~と老のふり出す新茶かな
(村上鬼城)

茶袋に新茶と書きて吊したり
(正岡子規)

出在家の物なつかしき新茶哉
(三宅嘯山)

点心はまづしけれども新茶かな
(芥川龍之介)

天目で新茶くれけり里祭
(森川許六)

煤煙は駅のみ新茶の静岡市
(百合山羽公)

一つ一つ新茶とどくに罌粟咲けり
(松村蒼石)

人々と新茶ひとりの今を古茶
(皆吉爽雨)

日焼せしことも言ひ添へ新茶かな
(細見綾子)

ほととぎす新茶より濃声の色
(椎本才麿)

參らせん親は在さぬ新茶哉
(寺田寅彦)

やすけさの老も芯なす新茶摘み
(飯田龍太)

宿々は皆新茶なり麦の秋
(森川許六)

夕映えて海女とらへをり新茶売
(石田波郷)

夜も更けて新茶ありしをおもひいづ
(水原秋桜子)

若葉して命めでたき新茶かな
(中勘助)

わが碗にをさめししづく新茶くむ
(皆吉爽雨)

 


【関連季語・子季語】


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