一片の西瓜

西 瓜

 

【鑑 賞】薄月夜西瓜を盗む心あり

明治時代の俳人・歌人である正岡子規(まさおかしき)の作品。

悪戯心が何とも楽しい句。

 

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以下、季語「西瓜」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 西瓜

(ひらがな) すいか

(ローマ字) suika

 


季 節


 


【分 類】


植物

 


【意味・説明】


西瓜は、紀元前4000年代に既に栽培されていたといわれています。


Watermelons are said to have been cultivated as early as the 4000s BC.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

青草に西瓜枕す西瓜売
(寺田寅彦)

秋もやゝ縞濃き西瓜累積す
(百合山羽公)

家あとに西瓜のころぶ杜国かな
(平井照敏)

海の話赤道祭や西瓜割る
(及川貞)

うり西瓜うなづきあひて冷えにけり
(高浜虚子)

閻魔王大縞西瓜あげてあり
(河野静雲)

大いなる西瓜の冷えてゐたりけり
(行方克巳)

かがよひて川波さびし西瓜売
(久保田万太郎)

から井戸は西瓜に逢ず月のみか
(上島鬼貫)

くらがりに飯かきこみて西瓜番
(宮武寒々)

口中の西瓜の種を何處へやろ
(高澤良一)

こころしづかに明日の吉兇西瓜割る
(加藤楸邨)

西瓜売り厚き筵をひろげけり
(皆川盤水)

西瓜切るきらりきらりと肘ゑくぼ
(加藤楸邨)

西瓜喰ふ中年の膝丸出しに
(菖蒲あや)

西瓜くふ奴の髭の流れけり
(榎本其角)

西瓜さへ表は青し蕃椒
(正岡子規)

西瓜積む秋立つ船の噺かな
(会津八一)

西瓜など梨など賜へ山の如く
(会津八一)

西瓜にも離れて寒しきり~す
(立花北枝)

西瓜の荷街の西日に受け渡し
(中村汀女)

西瓜ひとり野分をしらぬ朝かな
(山口素堂)

西瓜貰ふ瓜嫌ひ世辞も言へず受け
(及川貞)

西瓜より冷たきものののぼりけり
(松本たかし)

西瓜割りすぐに夕ベの米洗ふ
(百合山羽公)

西瓜割れば足早蟻のふれ廻る
(殿村菟絲子)

すてゝある西瓜の皮や堂の前
(正岡子規)

船頭の西瓜を切るや涼船
(正岡子規)

大寒の西瓜を売れり恬として
(相生垣瓜人)

乳臭き幼児もまへに西瓜割る
(百合山羽公)

どこにこのしぶとき重さ西瓜抱く
(山口誓子)

投げ出されたやうな西瓜が太つて行く
(尾崎放哉)

西日さす三和土のうへに西瓜買ふ
(百合山羽公)

畠から西瓜くれたる庵主かな
(炭太祇)

引きよせて赤き絶壁西瓜食ふ
(堀口星眠)

人顔の西瓜提灯ともし行く
(高浜虚子)

一口に歯かたゆゝしき西瓜哉
(森鴎外)

悲憤あり吐きし西瓜の種子黒く
(竹下しづの女)

ふいにわれ西瓜の種子のごときかな
(平井照敏)

風呂敷の薄くて西瓜まんまるし
(右城暮石)

蛇取は西瓜喰ひ喰ひ秋の風
(会津八一)

ほじくれば幾つも出てくる西瓜種
(高澤良一)

まだしらぬ人もありつる西瓜かな
(水田正秀)

まんまろき月のあがりし西瓜番
(富安風生)

見られゐて種出しにくき西瓜かな
(稲畑汀子)

桃売の西瓜食ひ居る木陰哉
(正岡子規)

モンロー忌今日と知らずに西瓜食ふ
(皆吉司)

汚れたる畳なつかし西瓜切る
(阿部みどり女)

両断の西瓜たふるる東西に
(日野草城)

冷蔵庫に西瓜入れあるぞと出掛け
(高澤良一)

 


【関連季語・子季語】


水瓜

 


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