簾と夏の日射し

 大 暑

 

【鑑 賞】念力のゆるめば死ぬる大暑かな

明治中期から昭和前期にかけての俳人・村上鬼城(むらかみきじょう)の作品。

大暑の頃の暑さに対する辛い気持ちに強く共感できる句。

 

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以下、季語「大暑」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 大暑

(ひらがな) たいしょ

(ローマ字) taisho


季 節


 


【分 類】


時候

 


【意味・説明】


大暑とは、一年を24等分したものに季節の名前を付けた二十四節気の一つです。

大暑の日付は毎年 7月23日頃となります。

7/23 ~ 8/6頃の期間を「大暑」ということもあります。


Taisho is one of the twenty-four solar terms, which divides the year into 24 equal parts and names the seasons.

The date of taisho is around July 23rd every year.

The period from 7/23 to 8/ 6 is sometimes called taisho.

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【例 句】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

あをあをと大暑の草木濡れにけり
(日野草城)

今にしてこゝろもとなき大暑来る
(篠田悌二郎)

動かざる嶺あればこそ大暑かな
(飯田龍太)

瓜もみの加減も馴れて大暑かな
(中村汀女)

大阪の屋根の歪みも大暑かな
(桂信子)

おもひ栄え大暑無言の別れかな
(佐藤鬼房)

外燈の律義に灯る大暑かな
(飯田龍太)

書きちらしとりちらしたる大暑かな
(古舘曹人)

河童忌の大暑の隅の涼気かな
(百合山羽公)

漢方の胃の妙薬を煮て大暑
(村山故郷)

氷抱く婢の聲透る大暑かな
(横光利一)

この大暑逃れんための一ねむり
(高澤良一)

参道を掃く音揃ふ大暑かな
(橋本榮治)

じだらくに勤めてゐたる大暑かな
(石田波郷)

しづかさの背骨にしづむ大暑かな
(森澄雄)

しんとして水流れゐる大暑かな
(長谷川双魚)

身辺にものの少き大暑かな
(高野素十)

水晶の念珠つめたき大暑かな
(日野草城)

大暑過ぎすでに秋思に胸満たす
(及川貞)

大暑とてもたぎらすものに燗銅壺
(鈴木真砂女)

大暑なり寒暖計も迎合す
(相生垣瓜人)

大暑の忌忘れず旅を終りけり
(長谷川かな女)

平らなる大暑と青田農夫小さし
(西東三鬼)

土蜘蛛に腹切らせゐる大暑かな
(石塚友二)

東京に病む人問はず大暑来ぬ
(相馬遷子)

友の来て大暑半日懶け得る
(石川桂郎)

とんぼうの腹の黄光り大暑かな
(室生犀星)

長生きの人を奪ひし大暑かな
(阿波野青畝)

なかんづく腎のあやしき大暑かな
(草間時彦)

二里の道地さへ雲さへ大暑かな
(尾崎紅葉)

庭木なる葉の一枚を見て大暑
(皆吉爽雨)

能登さざえ生きて届きし大暑かな
(細見綾子)

麦飯のいつまでも熱き大暑かな
(村上鬼城)

胸ちかく大暑の蝶の羽音あり
(永田耕衣)

山割りて自ら没す大暑の陽
(中村草田男)

 


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