赤目四十八滝

 

【鑑 賞】をちこちに滝の音聞く若葉かな

江戸時代中期の俳人・文人画家である与謝蕪村(よさぶそん)の作品。

「をちこち」という語の響きに風情が感じられる句。

 

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以下、季語「滝」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 滝

(ひらがな) たき

(ローマ字) taki

 


季 節


 


【分 類】


地理

 


【意味・説明】


「滝」が季語とされたのは、近代以降のことです。

現在では、単なる「滝」だけで夏の季語となります。


It was after modern times that “taki” became a season word.

Today, the mere “taki” is a seasonal word for summer.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

あな幽かひぐらし鳴けり滝の空
(水原秋桜子)

隠元を膝に娘や滝の前
(川端茅舎)

大滝や小滝や暮れてひゞきあふ
(日野草城)

筧にも滝と名のつく涼みかな
(正岡子規)

影は滝空は花なりいとざくら
(加賀千代女)

きこゆるは瀧の音とや曼珠沙華
(久保田万太郎)

樹の奥に滝も音して花や咲く
(上島鬼貫)

雲来り雲去る滝の紅葉かな
(夏目漱石)

鯉の背を打つ滝やさし冬紅葉
(鈴木真砂女)

公園の櫻月夜や瀧の音
(泉鏡花)

ことごとく滝に向へる床几かな
(後藤夜半)

こまごまと落葉してをり滝の岩
(波多野爽波)

滝浴びのまとふものなし夜の新樹
(山口誓子)

滝砕け水の軽さのありそめし
(稲畑汀子)

滝しぶきまひて山葵の花濡らす
(富安風生)

滝茶屋や那智の巫女時計見に
(高橋淡路女)

滝の水つけては髪を撫でてをり
(阿部みどり女)

滝見るによき倒れ木を渡りけり
(野村泊月)

滝を見る平氏の寺の書院かな
(長谷川かな女)

たのしさとさびしさ隣る瀧の音
(飯田龍太)

顛落す水のかたまり滝の中
(高浜虚子)

とう~と滝おちてゐて柿甘し
(萩原麦草)

虹生る滝と光と出逢ひては
(稲畑汀子)

花臭木滝真向に真白なり
(石田波郷)

一すぢの滝のこころや枯木山
(原石鼎)

ふくろうの瀧のこだまに出て怒る
(松村蒼石)

不確かな古き記憶に梅雨の滝
(高浜年尾)

ほととぎす滝よりかみのわたりかな
(内藤丈草)

名月は絶たる滝のひかり哉
(服部嵐雪)

よろこびて落つ水待つて滝走る
(中村汀女)

 


【関連季語・子季語】


滝壺  滝道  瀑布

 


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