役者の絵が描かれた大凧

 

【鑑 賞】凧の尾を咥て引や鬼瓦

江戸時代後期の俳人・小林一茶(こばやしいっさ)の作品。

擬人化された凧に面白味が感じられる句。

 

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以下、季語「凧」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 凧

(ひらがな) たこ

(ローマ字) tako

 


季 節


 


【分 類】


人事

 


【意味・説明】


凧は「いか」、「はた」、「紙鳶(しえん)」などとも呼ばれます。


Kites are also called “ika”, “hata”, and “shien”.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

兄いもとひとつの凧をあげにけり
(安住敦)

ありたけの糸のばしたり凧
(石井露月)

かくばかりたぐりためけり凧の糸
(野村喜舟)

かの童まだ遠凧につながれる
(林翔)

きれ凧の糸かかりけり梅の枝
(尾崎放哉)

げんげ田のどこかがかげり凧揚る
(菖蒲あや)

この木また凧搦めとる不思議の木
(辻田克巳)

冴え返る空灰色に凧一つ
(会津八一)

住吉に凧揚げゐたる処女はも
(山口誓子)

凧の糸青天濃くて見えわかぬ
(山口誓子)

凧の糸のびるばかりの怖ろしや
(岸風三楼)

凧の糸二すぢよぎる伽藍かな
(高野素十)

凧の絲まきつゝはゝをおもふめる
(久保田万太郎)

凧の絵の蓑着し亀のたたへられ
(後藤夜半)

凧の絵も何かあはれや春立てる
(百合山羽公)

凧の尾のぞろりと下がりぬ苗代田
(佐藤紅緑)

凧の尾のながながしきを誇りとす
(高澤良一)

凧の尾の我家はなるゝうれしさよ
(高井几董)

凧の尾を追かけ廻る狗哉
(小林一茶)

凧のかげ夕方かけて読書かな
(室生犀星)

凧の子がきしませてゐる田の氷
(内藤吐天)

凧の子の海の日の出を呆然と
(阿部みどり女)

凧の子や仕立おろしの紺絣
(高橋淡路女)

凧の空あまりに青し身をひきしむ
(加倉井秋を)

凧の空置いて帰るは惜まるゝ
(稲畑汀子)

凧の空微塵もなかりふるさとは
(大野林火)

凧のぼるひかりの網の目の中を
(飯田龍太)

凧ひとつ延び来て澄めり百花園
(水原秋桜子)

凧ひら~港遊女が母おもふ
(松瀬青々)

ちぎれ凧吹きとび牛の目まばたく
(加藤楸邨)

人の子の凧あげて居る我は旅
(正岡子規)

まだ先に霞める凧もありにけり
(吉武月二郎)

よく晴れて凧くれなゐや二月空
(高橋淡路女)

りんりんと凧上りけり青田原
(小林一茶)

わが凧の赤地に龍の一字かな
(野村喜舟)

 


【関連季語・子季語】


いかのぼり  懸り凧

 


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