天高し
【鑑 賞】天高し野地蔵も杖身に添はす
昭和前期から平成後期にかけての俳人・村越化石(むらこしかせき)の作品。
お地蔵さんがいる、のどかな光景が目に浮かんでくる句。
以下、季語「天高し」の解説です。
【表 記】
(漢字) 天高し
(ひらがな) てんたかし
(ローマ字) tentakashi
【季 節】
秋
【分 類】
天文
【意味・説明】
「天高し」は、秋になって空が青く澄んで、天が高くみえる趣きを表現する季語です。
「秋高し」も同じ趣向をもった季語です。
“Tentakashi” is a season word that expresses the taste of the clear blue sky in autumn and the highness of the sky.
“Akitakashi” is also a season word with the same taste.
【俳句例】
※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。
石あれば腰を下ろして天高し
(村越化石)
宮殿のやうな会場天高し
(稲畑廣太郎)
けふの日を富士も称へて天高し
(鷹羽狩行)
島へ橋島からも橋天高し
(鷹羽狩行)
卒寿へと一歩踏み出す天高し
(二村蘭秋)
天高きはつぴい吟行会初回
(稲畑廣太郎)
天高く浅間嶺の胴肥ゆるごと
(林翔)
天高く宙乗りもまた高かりし
(安住敦)
天高く梯子は足裏知りつくし
(中原道夫)
天高くポケモンGOと子規さんと
(坪内稔典)
天高し句碑の心に触るる旅
(稲畑汀子)
天高く大枚はたく響きあり
(中原道夫)
天高し翼もつものあまた容れ
(鷹羽狩行)
東尋坊片道切符で天高し
(保坂加津夫)
羽衣の松の上なる天高し
(鷹羽狩行)
風禍置き去りてゆきしも天高し
(稲畑汀子)
福州の林則徐像天高し
(松崎鉄之介)
松島や秋天高く鳶渡る
(菖蒲あや)
迷ひなく予定こなして天高し
(稲畑汀子)
山鳥も声絶つ笙に天高し
(澤田緑生)
【関連季語・子季語】
秋高し
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