木の枝で鳴く鶯

 

【鑑 賞】鴬がぎよつとするぞよ咳ばらひ

江戸時代後期の俳人・小林一茶(こばやしいっさ)の作品。

小動物を愛する一茶の優しさが強く感じられる句。

 

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以下、季語「鶯」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 鶯

(ひらがな) うぐいす

(ローマ字) uguisu

 


季 節


 


【分 類】


動物

 


【意味・説明】


鶯は早春から鳴き始めることから「春告鳥(はるつげどり)」の別名があり、その他にも多くの異称を持っています。


Bush warblers starts singing in early spring, so it is also known as the “harutsugedori” and has many other nicknames.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

あかつきの鴬のあと雀たのし
(西東三鬼)

鴬がぎよつとするぞよ咳ばらひ
(小林一茶)

鴬が鳴くゆゑ路が遠きなり
(竹下しづの女)

うぐひす来待てば昨日よりやゝ遅れ
(及川貞)

鴬に兄のとめたる吹矢かな
(尾崎紅葉)

鴬に薬をしへん声の文
(榎本其角)

鴬にくつくつ笑う泉あり
(西東三鬼)

鴬に父の葉書の荒さかな
(永田耕衣)

鴬につもらぬ雪のふりにけり
(久保田万太郎)

鴬にほうと息する朝かな
(服部嵐雪)

鴬のあと天に顔向けゐたり
(村越化石)

鴬の池をかゞみにはつ音哉
(松岡青蘿)

鴬のいちぶ始終のやさしさよ
(後藤夜半)

鴬の笠落したる椿かな
(松尾芭蕉)

鴬の来てあけぼのの庭に胸赤し
(水原秋桜子)

鴬のけはひ興りて鳴きにけリ
(中村草田男)

鴬の声や竹よりこぼれ出る
(椎本才麿)

鴬のしのびありきや夕しぐれ
(炭太祇)

鴬の尉姥うたふ御垣かな
(尾崎紅葉)

鴬のたつ羽音して高音かな
(高井几董)

鴬の啼き間違ひをして遊ぶ
(後藤夜半)

鴬の啼く音悲しと夢に見し
(尾崎紅葉)

鴬の宿とこそみれ小摺鉢
(服部嵐雪)

鴬の若さにくれし杖なるか
(尾崎紅葉)

鴬の若さにくれし杖なるか
(尾崎紅葉)

鴬も鼻うたうとふ機嫌にて
(井原西鶴)

鴬や茜さしたる雑木山
(芥川龍之介)

鴬や朝粥白く光あり
(後藤夜半)

鴬や嬉しきときのなほかなし
(阿部みどり女)

鴬や書院の雨戸走る音
(服部嵐雪)

鴬や炊煙とみに増えて来し
(阿部みどり女)

鴬や茶の木畠の朝月夜
(内藤丈草)

鴬や洞然として昼霞
(高浜虚子)

鴬やとのより先へ朝御飯
(小林一茶)

鴬や名は雲雀より上に啼
(横井也有)

鴬や日の出の後の霜ぐもり
(高井几董)

鴬や日は上にあるあらし山
(松瀬青々)

鴬や柳のうしろ薮の前
(松尾芭蕉)

鴬やわかれをつぐる奥納戸
(原石鼎)

うぐひすを夜るにして聞朝寝哉
(横井也有)

うつくしや鶯あけの明星に
(泉鏡花)

梅さけど鴬なけどひとり哉
(小林一茶)

梅に鴬代々の朝也夕食也
(井原西鶴)

大風の中の鴬聞こえをり
(富安風生)

落葉松に高音鶯うしろ向き
(前田普羅)

かりよする鶯かごや雪のあさ
(広瀬惟然)

久遠寺の南無妙鶯ほうほけ経
(高澤良一)

鍬のえに鴬鳴や小梅村
(小林一茶)

今朝きつる鴬と見しに啼かで去
(与謝蕪村)

玄関へ奥の鶯の谺かな
(西山泊雲)

差せばすむ鉛筆削鶯来て
(石川桂郎)

篠笹を踏みて鶯啼きにけり
(長谷川かな女)

白樺に鶯鳴くや上高地
(野村泊月)

雀より鶯多き根岸哉
(正岡子規)

対岸の模糊に鶯うつりけり
(飯田蛇笏)

竹と見て鴬来たり竹虎落
(榎本其角)

町内の鶯来たり朝櫻
(泉鏡花)

月ちらり鴬ちらり夜は明ぬ
(小林一茶)

鳴きわたる鶯も杖も雨の中
(原石鼎)

七日あまり鴬啼きてはる立ちぬ
(室生犀星)

南無三と鴬啼くや散る花に
(尾崎紅葉)

眠り深き朝鶯をききもらす
(阿部みどり女)

羽洗ふ鴬も見ゆ帋屋河
(高井几董)

母の名の遠し鶯秋を鳴く
(皆川白陀)

はるかにも鶯啼きぬ野に立てば
(原石鼎)

春炬燵けさ鴬のうぐひす鳴き
(石川桂郎)

春雨や鶯の巣のほととぎす
(会津八一)

人を見に来て鶯の逃げがまへ
(立花北枝)

二つ来て鶯なかずなりにけり
(会津八一)

古庭に鶯啼きぬ日もすがら
(与謝蕪村)

 


【和歌・短歌に詠まれた「鶯」】


あしひきの
山谷越えて野づかさに
今は鳴くらむうぐひすの声
(山部赤人)

いつしかと
たか木にうつれかすが山
谷の古巣をいづる鶯
(藤原俊成)

いもが家の
はひいりにたてる青柳に
今やなくらん鴬の声
(凡河内躬恒)

鶯の
こゑぞ霞にもれてくる
人目ともしき春の山里
(西行)

鶯の
谷よりいづるこゑなくは
春くることをたれか知らまし
(大江千里)

鶯の
鳴けどもいまだ降る雪に
杉の葉しろきあふさかの関
(後鳥羽院)

うち霞み
たづきも見えぬ春の野に
聲を知れとや鶯のなく
(曽禰好忠)

なきとむる
花しなければ鶯も
はてはものうくなりぬべらなり
(紀貫之)

春きぬと
かすむけしきをしるべにて
こずゑにつたふ鶯のこゑ
(藤原定家)

春雨の
露もまだひぬ梅が枝に
うは毛しほれてうぐひすぞなく
(源実朝)

 


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