雨 水
【鑑 賞】雨水より啓蟄までのあたたかさ
大正末から昭和後期にかけての俳人・後藤夜半(ごとうやはん)の作品。
そろそろ寒さも緩んでこようかという頃の雰囲気が伝わってくる句。
以下、季語「雨水」の解説です。
【表 記】
(漢字) 雨水
(ひらがな) うすい
(ローマ字) usui
【季 節】
春
【分 類】
時候
【意味・説明】
雨水とは、一年を24等分したものに季節の名前を付けた二十四節気の一つです。
雨水の日付は毎年 2月19日頃となります。
2/19 ~ 3/5頃の期間を「雨水」ということもあります。
Usui is one of the twenty-four solar terms, which divides the year into 24 equal parts and names the seasons.
The date of usui is around February 19th every year.
The period from 2/19 to 3/ 5 is sometimes called “usui”.
【例 句】
※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。
色めでて草餅を買ふ雨水かな
(藤岡筑邨)
雨水てふ佳き日ありけり母微笑
(上野さち子)
大楠に諸鳥こぞる雨水かな
(木村蕪城)
落ちてゐし種ふくらめる雨水かな
(滝沢伊代次)
こんにゃくのさしみふるふる雨水かな
(高澤良一)
薩埵富士雪縞あらき雨水かな
(富安風生)
書道部が墨擦つてゐる雨水かな
(大串章)
地に降りて雀濡れゐる雨水かな
(池田秀水)
地をおほふ靄に雨水の日の夕べ
(井沢正江)
並びゐる土器の耳立つ雨水かな
(上田日差子)
鵯の尾のずぶぬれてとぶ雨水かな
(原石鼎)
亡命は雨水の頃に夜の闇に
(小野元夫)
夕空に晴れ間の見えし雨水かな
(今井杏太郎)
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