美しい夜桜

 夜 桜

 

【鑑 賞】夜桜に月は七日か八日かな

大正末から昭和中期にかけての俳人・高橋淡路女(たかはしあわじじょ)の作品。

夜桜と月の組合せに、何ともいえぬロマンが感じられる句。

 

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以下、季語「夜桜」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 夜桜

(ひらがな) よざくら

(ローマ字) yozakura

 


季 節


 


【分 類】


植物

 


【意味・説明】


夜桜とは、夜に見る桜の花のことをいいます。


Yozakura refers to cherry blossoms seen at night.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

朝桜夜桜わが家への近道
(桂信子)

貸し練炭貸し茣蓙夜桜真っ盛り
(高澤良一)

客夫婦夜桜を見に出かけたり
(野村泊月)

九分咲きの夜桜に灯をあびせたる
(京極杞陽)

春月の下に夜桜下に町
(京極杞陽)

既にして夜桜となる篝かな
(日野草城)

途切るるとなき夜桜の人通り
(行方克己)

人顔に夜桜いたく更けにけり
(石原舟月)

灯を消して観る夜桜の息づかひ
(堀口星眠)

夜桜に青侍が音頭かな
(高井几董)

夜桜にあがる焔の二タ柱
(高澤良一)

夜桜に池を隔てゝ篝かな
(高浜年尾)

夜桜に後歩きも妻恋ひつつ
(中村草田男)

夜桜に後ろの闇のありてこそ
(今井つる女)

夜桜にしこたま冷えて戻りけり
(高澤良一)

夜桜にマグネシウムの煙かな
(阿部みどり女)

夜桜にわれは黒子となり通る
(行方克己)

夜桜の篝の籠や昼閑なり
(西山泊雲)

夜桜の瓦斯燈の蔭に見しは犬
(加藤秋邨)

夜桜の鐘聞得たり寒山寺
(尾崎紅葉)

夜桜の下自転車が迅く通る
(波多野爽波)

夜櫻の体重計に銭をおとす
(水原秋櫻子)

夜桜の一枝長き水の上
(高野素十)

夜桜のぼんぼりの字の粟おこし
(後藤夜半)

夜桜の幕の隙間の海黒し
(皆川白陀)

夜桜も思ひて父の忌を待てる
(百合山羽公)

夜桜やうらわかき月本郷に
(石田波郷)

夜桜や汽車の白煙ふんだんに
(山口誓子)

夜桜や十本ばかり雪洞を
(山口青邨)

夜櫻や城陥りて四百年
(水原秋櫻子)

夜桜や誰やら打し紙礫
(井上井月)

夜桜や祭見んとて老いにゆく
(森澄雄)

夜桜を暗くす墨をつけし爪
(長谷川かな女)

吉原の夜桜なかを通ひけり
(野村喜舟)

吉原や雨の夜桜蛇目傘
(正岡子規)

 


【関連季語・子季語】


花見

 


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